伏せ~起立、朝の数秒。
寝起きの儀式は、私にとってGS時代から続いたハイドロ系シトロエンの
お約束であり、朝の車の調子を諮るひとときでした。どんなに急いでいても、
この数秒は必然であり、決して無視することは出来ません。
何故なら、このクルマは、ステアリング、ブレーキ、サスペンションを
LHMという緑色の液体の圧力で駆動しており、このクルマの血液とも言うべき、
その圧力が上昇しない限り、ブレーキも効かない仕組みなのですから(笑)
ご先祖様はATまで駆動していました。。。
ゆるぎない安心感。
そんな特殊なサスペンションに、長ホイールベースや
逆ハの字前後ホイールオフセット等の伝統的なセッティングが加わり、
高速道路の快適さと、揺られる安心感は独特のものでした。
よく言われる、魔法の絨毯とか、雲の上とか、、、。
結局、最期まで飽きのこない乗り心地でした。
オススメは北陸道の直線路。
波に揺られる船のようにゆっくりしたピッチとロールに身を委ねる。
次、この至福の瞬間を感じられるのはいつの日か、、、。
一般的に、シトロエン=ハイドロ=壊れる という定説が定着していましたが、
実際に使用してみると、半世紀にわたり熟成されたシステムは信頼性が高く、
定期的なメンテをすれば一切のトラブルなく10年余り。26万キロを走破しました。
不評だったAL4オートマ。
AL4はPSAのクルマのATならば現在も採用されていることが多いATですが、
Xantiaには、99年のマイナーチェンジから搭載されています。
ZF同様、故障しやすいと不評のATだったのですが、、、。
私にとってはシフトUP/DOWNのメリハリがはっきりした変速プログラムが心地よく、
下り坂でのエンジンブレーキを感じさせるシフトダウンはMTの感覚に近く、
生涯初ATでも、何とかクルマを繰る楽しさを残せました。
ゲート形状のシフトパターンは擬似MTとして活躍し、その秀逸な配置は
目視確認せずとも誤って走行中DからNに入れることなく、確実にD-3-2と変速可能で、
ティプトロニクス形状擬似MTよりも意思に反した誤操作は起こり難かったです。
ATをMTのように酷使する反面、気遣っていたこともあります。
信号待ちなどの停止状態で、DポジションのままではATに負担が掛かるとの複数のユーザー情報から、
信号待ちではDからNに変速してATの負担を減らしていました。
新車から十数万キロまで一切のメンテなく(ATFも指定により無交換)使えました。
この耐久性をして、AL4はダメだとは、私には言えません。
後継車選び。
そのほか、後席窓が下ま下りるとか、意外に伸びる田舎路での燃費とか、、、
細かいことまで、挙げれば限りないほど痒いところに何とか手が届いていた、
後期型Xantia(ブレーク)。
このあとに続くクルマを見つけることができず、ここまできました。
今回の乗り換えに関しては、色々悩みました。
税制優遇を利用してハイブリッドにするか。愉しい小型欧州車にするか、、、。
イラン製Xantia(新車セダン ノックダウン生産)まで検討しました。
ほぼハイブリッドに決定しかかって居た頃、今回のクルマ(中古)を見かけました。
既に製造中止の車種で、サスペンションはコイルバネ(普通)ですが、
そのデザインは以前からココロの片隅に引っかかっていました。
しかもベースグレードショートワゴン。低走行距離。
以前も記事にした、私好みのバンパーとドアモールが黒色樹脂色!
決め手はマニュアルトランスミッションであることでした。
MTの魅力。
Xantiaの前乗っていたAXはMTで、たったの75PSですが、”回して走る。”
典型的な小型欧州車でした。
齢を経て、回して走るのに耽るばかりではなく、
あのダイレクトな操縦感を日常の運転に取り戻したくなりました。
日本ではATが大多数となり、動力源がHVさらにEVへの移行が始まった現在、
回すガソリンMTを愉しめる最後の機会になるかもしれません。
こういう思いが絡まり、突き上げ、、。
遂にXantiaとの決別となりました。。。
嫌いじゃないけれど、お別れ、、、です(笑)
まだまだ書きたいことはあるけれど、、、。
ながなが、失礼しました~。
果たして何人のヒトがここまで読んでくれたことだろう(笑)
オマケ
新しくともに日常を歩むことになったP、、、。
拘らなかったナンバーですが、納車前に車検証を見てびっくり、、、。
希望するヒトも居るでしょうが、私には、相当イタい番号でした。
少し嬉しくもあり、むちゃくちゃ恥ずかしい。。。
お会いできる日を楽しみにしています~!