すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

Baringstidのささやかなプロジェクト

2020-06-04 | ノルウェーの自然

やっと来た“Baringstid ”

「やっと雪が解けてきたよー!」
と私が言うと、たいてい日本の友人の反応は
「やっと春が来たね」。

「春はとっくに来ている」
と私は思っているのですが。

日に日に、鳥のさえずりは増え、
日差しは高く強く、日も長くなる。

この変化を「春」と呼ばず、何と言う? 
でも、雪があるからなあ、雪が。

そんな私をすっきりさせてくれる言葉に出逢いました。

「Baringstid(バ-リングスティド)」。
つまり「雪解けのとき」。

そう、Baringstidが、やっと来たんです。

ただ、今年は例年より3週間遅れ。
5月にこんなに雪が降ったのは、23年ぶりだそうです。


今年の6月3日 うちの裏の畑
 

去年の6月3日 同じくうちの裏の畑

雪は、「重い」だけではなかった。

太陽の陽射しが、大地を温め
大地が、深く固くなった雪を解かす。

耳をすませば、
雪と大地のハーモニーがどこからともなく聞こえてきます。
これは、なかなか神秘的です。

そして、Baringstidだけの小川があちこちに現れてきます。


うちにも Baringstidにだけ、清らかなせせらぎが聞かれます。

「こんな重い雪に耐えて」
と不憫に思っていた草木たち。

実は、冬の間は
雪に保温され、
Baringstidには
解ける雪から潤いをもらい活力を蓄えていたのですね。

だから、雪が消えたとたん、
花をつけたり、
あっという間に緑になって、
私たちを驚かせてくれるのでしょう。

月9日 

5月9日 Blåvei 雪が一部解けて。雪の下でもう蕾になっていたよう。

5月24日 

酷使しない「ミントプラント作戦」

とは言え、

この環境で生きる花や草木の種類は限られるし、

生育期間も短い。

これが、「日本恋し病」の大きな原因の一つ。

今年は、こんな私が癒されるための
細やかなプロジェクトを思いつきました。

ミントプラント作戦!

私はミントティーが大好き。
ここでも日本でも買いましたが、
やはり生、さらに自分で干したのが最高ですよ。

日本ではミントは繁殖力が強くて、
他の植物を守るため地中に壁を埋めるくらいです。

でも、ここではそうはいかない。

昨年は、「少し伸びると摘む」を繰り返し、
コツコツ増やして作ったミントティーを
大事に大事に飲みました。

ミントにすれば、酷使され息つく暇もなかったでしょう。

そのミントがまだ雪の下にいるのです。

あの子たちは生きている。

私は信じています。

今年は、あの子たちに加えて株数をうんと増やし、
一年分のミントティーをストックする!

しかし、今年はすでに3週間も出遅れている。
ミントとて、ここでは高価。

そこで、株分け、挿し木で増やしておいて、
雪がなくなったら、一気に移植する!

と、にわかに思いつきました。

根が出て、次はポットへ

値下げされていた温室育ちの子たちも、
外に出され待機中。(やっぱり酷使してる?)

と、ここで畑に行ってみましたら、

解けたての雪の間からミントが出ていました!

なんと健気な子たちよ。

さあ、育つのよ!

24時間お日様が見守ってくれているからね。


まるで胎児のよう。でも、ちゃんとミントの香りがしています。
コメント
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