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すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

「あなたは、認知症なのよ」

2008-06-16 | 素老日誌
6月4日(水)より

 老人性の直腸脱から、母は、すっかり病人モードに陥っている。
「痛い・・・こうしていた方が楽だから」と、ベッドで一日過ごしてしまう。
「もう、ぬくもりさん(デイサービス)にも、どっこも行けやんわ」と言う。

「病気じゃないから」といくら説明しても、全く受け付けない。

 そして、告白モードで深刻にこう言う。

 「あんたには言ってないけど、私は時々ぽーとなるんやわ・・・」

 いやいや、これまでに何度聞いたことか・・・。
 そこで、私は思いきって、初めてこう言ってみた。

「知っとるよ。それは、お母さんがおかしいわけじゃない。
それは認知症と言って、お年寄りによくあることなんよ。
でも、どんどんポーとなることもあれば、
そんなにひどくならんこともあるのよ」。

「認知症? どんな字書くの? あれえ、どうしたらええの?」

「認知症」という言葉を受け止めたのは、初めてである。

そこで、紙に書きながら、順に話していった。

まずは、今行っている「デーサービス」。
楽しくおしゃべりができて、心にも脳にもとってもいい!

それから、「短歌」。
これもすっごくいい!
39年も短歌を作ってきたこと
今も短歌を作ることができること(ちょっとあやしくなっているが・・・)
字を書くことができること
みんな、お母さんが自分で作ってきた「宝」であること。
そんな宝を持っていることは、すごいよ!

母は、泣かんばかりに頷いている。

そして、「短歌の歌集を作る」という夢を再確認。

「そのためには、心も体も元気でいないとね。
ちょうど、泊まって楽しくしながら、体も看てもらえるところがあるから、
行ってみる?」

「元気でおらんと、歌集も作れやんもんな・・・。
 行ってみるわ!」

意外にも母は、ショートステイの提案をすんなりと受け入れてくれた。
それどころか、「ぼやぼやしとったらあかんわ!」と元気まで出てきたのだ。

「認知症である」ということを本人に話すことが
 傷口に塩を塗る場合もある。
 しかし、そうとも限らないようだ。

 さて、当日行けるだろうか?
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梅のおばちゃんとのいい関係

2008-06-16 | なんでもあり
6月1日(土)より

ここ8年、6月の恒例行事・「梅採り」に行ってきました。

大人10人、子ども5人。
少しずつメンバーが変わりながら、増えているのは嬉しいこと。

子どもが小さい頃は、
「援農」というものに何回か参加しました。
無料で、たいした役にも立たず(どっちかというと、足手まとい・・・?)
お土産だけは何だかんだ、いただいて・・・
「ありがたい」ものの、
「申し訳ない」という気持ちも残ったものです。
本心、お百姓さんは、迷惑なんじゃないかなあ・・・・と。

梅のおばちゃんとは、たまたま道で出逢いました。
以来毎年声をかけてくださいます。

おばちゃんとは、「両よし」の関係でいたいと思ってきました。

おばちゃんの梅は、無農薬。
買えば高いですよ。
その値段をその日の参加者と決めます。
「スーパーの値段より安く、
 おばちゃんに申し訳ない程度の値段」
おばちゃんのお小遣いにもなって、
「来てもらってよかった」
と思ってもらいたいのです。

「梅摘み」って、おばちゃんが摘んだら
早いけど、疲れると思います。
時間はかかっても、私たちにもできること。
おばちゃんにそれほど迷惑はかかってないかなあ、
と思うのです。

私たちは、
鶯の声を聞きながら、
梅の葉越しの陽射しを浴びつつ
梅を摘む。
その心地よさよ。
そのゆったりと澄んだ時間と空間には
ほんと癒されるのです。

こんなこと、いつでも、どこでもできるものじゃないでしょう。
このチャンスをいただけるって、なんとありがたいこと。
心から感謝です。

次の年におばちゃんから声がかかると「ほっと」します。
ああ、おばちゃんもよかったのかなって。

どうぞ来年も声をかけてもらえますように。

お願いするように言ういつもの別れ際の言葉。

「おばちゃん、元気でいてね」。



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