ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

兎と亀

2009年02月13日 | 俳句雑考

快晴無風、動物園にでかけた。画像は12日、鹿児島市平川撮す。

 


白兎がからだをガラスに押しつけるようにして眠っていた。ガラスが温いので、日向ぼこをしているうちに眠たくなったらしい。

 

大きな亀がのっそりと這っていた。カメラをむけるとこちらを向いて動作をとめたので、撮りやすくなった。

   兎より亀が早しと日向ぼこ     五 郎

動物園のなかは、絶好の日向ぼこ日和だった。


雪柳

2009年02月12日 | 俳句雑考

民家の板塀を背にして、雪柳が咲いていた。歳時記には晩春の季語として載っている。
画像は11日、鹿児島市谷山中央で撮す。

    雪柳老の二人に一と間足り    風 生

雪柳が一枝活けてある隠居部屋が思いうかぶ。


葉牡丹

2009年02月11日 | 俳句雑考

学園の庭にテナーサックスだろうか、楽器を吹奏している若者像が建っていた。
そのまえに葉牡丹を咲かせたプランターが飾ってあった。画像は9日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   農業祭入賞葉牡丹みな予約      久 子

北総時代にブログを通じて知り合ったKAWASAKIさんは、葉牡丹づくりの名人だった。


沈丁

2009年02月10日 | 俳句雑考

蕎麦屋の植え込みに沈丁が咲き出していた。画像は9日、鹿児島市上塩屋で撮す。

   生きて再び沈丁の香にむせび合ふ    情 雨

「むせび合う」ということは、久闊を叙し合っているのであろう。


冬桜

2009年02月09日 | 俳句雑考

先日、一輪だけ咲いていた桜が盛りをむかえていた。普通の桜にくらべて紅がちに思えたので、歳時記をめくって調べたところ「緋寒桜は九州や沖縄の暖地に生え、1-3月に緋色の花を咲かせるが、俳句ではとくに種を区別せず、たんに冬に咲くサクラとして詠む」の一項があった。
画像は7日、鹿児島市谷山中央で撮す。

     うつし世のものとしもなし冬桜      花 蓑

季語の曖々然昧々然としたところは、この日記に俳句を引用するのにまことに都合がよい。


木守蜜柑

2009年02月08日 | 俳句雑考

民家の庭の蜜柑の木の真ん中に、木守柿のように実がひとつ残っていた。
歳時記には木守蜜柑は載っていない。画像は7日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   こまやかに蜜柑をむきて未婚なり      俊

糸のような筋をきれいにとり除いているのだろうか。


冬の梅 

2009年02月07日 | 俳句雑考

南のベランダからみえる隣家の白梅、そのむこうの紅梅が満開になった。
画像は6日、鹿児島市谷山中央で撮す。

    ゆつたりと寝たる在所や冬の梅   惟 然

立春は過ぎたものの、薩摩でもまだ蝶は生まれていない。


田ノ神サア

2009年02月06日 | 俳句雑考

農業団体のビルの前庭に、田ノ神サアが祀られていた。画像は5日、鹿児島市鴨池で撮す。

   早乙女やこれらも神の使はしめ    東 丸

歳時記によると、早乙女は田植えをするおみなの呼び名、年齢は関係ないそうだ。


バイク

2009年02月05日 | 俳句雑考

年齢不詳のおみながバイクに乗って通りすぎた。
画像は2日、鹿児島市平川で撮す。

   子を負ひしバイク馳けゆく野分中    淑 子

母は強し。


凧揚げ

2009年02月04日 | 俳句雑考

立春の日、小学校の校庭で生徒たちが凧を揚げていた。凧揚げは新年の季語とばかり思いこんでいたが、あらためて調べてみると、春の季語だった。
画像は4日、鹿児島市谷山中央で撮す。

      凧糸の白のひとすぢ身より出て    信 子

風がないので、生徒たちは凧を揚げるのに駈けなければならなかった。体育の時間なので生徒を運動させようと、教師はわざわざ無風の時間帯を選んだのだろうか。


巨刹

2009年02月03日 | 俳句雑考

寺の名のついたバス停でバスを降りた。画像は2日、鹿児島市平川で撮す。

 石寺

参道をたどると、石造りの巨刹が現れた。薩摩では廃仏毀釈が徹底的におこなわれたといわれており、木造りの古刹はおそらく現存しないらしい。

      福詣で一寺に二福得てたのし       宵  火

神籤を二回も引いたのだろうか。

  撞木

鐘楼に大きな鐘が吊られていた。

   撞木の頭日々に新らし照若葉    豊 水

撞木のさきは鉋をかけたばかりのようだった。

 

芽吹きはじめた枝に鵯がとまっていた

   人のする絶叫なるを鵯もせる    垣瓜人

寺の鵯は座禅を組んでいるように静かだった。

 焚火

庫裡では缶焚火をしていた。護摩のように炎が赤かった。

   捨てし身や焚火にかざす裏表     茅 舎

焚火に向いたり、背向いたりしているのだと思う。


桜一輪

2009年02月02日 | 俳句雑考

ひさしぶりの快晴。民家の庭木の桜が一輪だけ綻んでいた。
手元の歳時記では梅一輪の句の引用にはこと欠かないが、桜一輪や花一輪は載っていない。桜万朶の句は多いが。画像は1日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   満面にふくらんで来し朝桜     盤 水

桜の開花宣言は5ー6輪ひらいたときにするものだそうだから、谷山の桜は今日あたり宣言できるかもしれない。


寒木瓜

2009年02月01日 | 俳句雑考

民家の庭で木瓜の花が咲き競っていていた。画像は1月29日、鹿児島市谷山中央で撮す。

     寒木瓜のゆるみほほ笑む蕾かな      たかし

作者が棲んでいた鎌倉での日常吟と思う。寒気もゆるんだのであろう。