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『原爆歌集』井原康雄・著 「序」長田新

2008年07月19日 | 読書日記など
『原爆歌集』
  井原康雄・著/河出書房新社1959年

長田新の文章があり、それが印象に残りました。
--それにしても、一人の人がこれほどテーマをもって歌集をつくられたとは……。
すごいと思います。



■目次・主なものだけ■
序 長田新  1
序 小倉豊文  4
序歌 廃墟  15
一章 八時十五分  20
二章 一日燃え一夜燃ゆ  38
三章 現はかなし  52
四章 弟  62
五章 避難所  72
六章 旱る焦土  92
七章 夜の廃墟  28
八章 原子爆弾  126
九章 廃墟と学生生活  154
十章 病みて帰還(かえ)る  177
あとがき  184


イデオロギーを神のように思われる人たちは「原爆エレジー」とこきおろします。

最初に「原爆エレジー」と新語したのは長田新だったそうです。下「」引用。

「ところでこの歌集は率直に言って「原爆エレジー」だ。「原爆エレジー」という言葉は終戦後間もなく私の作った新語だ。エレジーとは悲歌だ。悲歌はお涙ちようだいだ。地獄図絵を繰り拡げて悲嘆にかきくれ、人々に憐れを催させたり、神や仏に加護を求めたりするのは勿論人間の一面だ。だがそれは人間の全面ではない。というのは広島に落ちた原爆は人間の作ったものだ。そして人間が落としたものだ。それなら人間に作らせるな。人間に落とさせるな。こう考えてこそ平和運動も起ってくる。」

「原爆」それ自体は、「エレジー」だとボクは思います。
--それは投下側のアメリカ。そしてヒロシマ・ナガサキにとってもですし、全人類にとってもです。
しかし、その「エレジー」さえも理解できない人たちが、今も核兵器を神としています。
--その後ろには、イデオロギーというものが強固に存在しています。
その根は「イデオロギー」という、醜き邪神(邪心・悪魔)だと思います……。
その邪神が作り上げた「原爆神話」ではないでしょうか?
--そして、反対側のイデオロギーも平和勢力の核兵器は、平和の武器と……。
人間であるのに、「原爆エレジー」もわからないようでは、本当に困ったものです……。
「原爆エレジー」の上に、積んで生きなさいと、長田新は書いているように、ボクには思えます……。

目次


一作品だけ……。下「」引用。

「○花電車
花電車走り鐘鳴り華やげり生残りしは早や忘れし如く」

--「生残」は「のこ」と振り仮名をふってありました。

「あとがき」に書かれてあります。下「」引用。

「此の「原爆歌集」は、広島での原爆体験の歌を中心に、昭和二十三年頃までの記録をまとめたもので、序歌と十章からなり、短歌一千十五首を収録してあります。集中の作品の大部分は、私が広島文理大を病気休学中の、昭和二十三、四年頃に、原爆被災とそれに続く廃墟での学生生活を、備忘的に作って置いた歌稿の中から、三分の一程を自選整理したもの-略-」










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