磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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A158.ハッカー?

2006年02月23日 | 【小説】 レインボー...
XII.魔法かもしれない?


A158.ハッカー?





 石井は桃子と、大切な話が終わった。
「このピーチとっても、おいしかったわ」

「そりゃ、故郷のおふくろが丹精こめてつくったピーチだもんな」
 桃子は微笑んだ。石井は、桃子に食事をきちんと摂らないといけないことも教えて、しっかりとヨーグルトも食べさせたのである。

「これ、あやにも食べさせたいわ」
 桃子はピーチをさわっていた。

「キッチン、使ってもいいぞ」
 石井は、リヴィングルームに行った。

 あやちゃんは、きゅうに人が来たので、びっくりした。また、あやちゃんが動いたので、リモコンが作動した。部屋はあい色に染まって、画面には星々がかがやいた。

 石井は床からリモコンを拾った。
「この機械、調子わるいなぁ。これじゃ、プラネタリウムじゃないか」
 桃子が、あやちゃんのためにピーチのジュースをつくって来た。

 桃子は穏やかに話す。
「あらー、感じいいじゃないの。家にプラネタリウムがあるなんて」
「そんな、つもりはないんだがな」

 石井は、ぼやいた。
 あやちゃんを抱いて、桃子が、ジュースを飲ませていると、部屋はみどりの草原になった。艶やかな緑色である。

「どうしのだろう」
 石井は、リモコンを操作したわけでもないのにと思った。

「どうかしたの」
 桃子が心配そうに石井を見ている。

 石井は、リモコンをもって、チャンネルをかえようとしたが、いくらスイッチを押しても、画面はかわらなかった。

「どうしたの」
「リモコンの調子も悪いんだ」

 石井は、これはもしかしたら、ウィルスのせいかなあと思った。すべてのモニターが、パソコンにつながって制御されている。このウィルスとはコンピューター・ウィルスのことで、パソコン通信やフロッピーから、ソフトウェアやハードウェアを破壊したり用事もないのに、鳩時計がなったりするようにするハッカーのしかけた悪だくみを言う。

しかし、正確にいえばハッカーではなくクラッカーなのだが、ハッカーの方が一般の人にはわかりやすい表現かもしれない。

 石井は、また新しい悪戯を考えたやつがいるのかも知れないが、これだけのことをインプトできるやつはぼくよりもコンピューターの知識があるやつだなぁと思った。誉める気はないが、技術力はあるってことだ。こんなの魔法じゃない、いや、技術力ではない。技術とは人を幸福にすることだと石井は思う。

 それにしても、機械にウィルスやワクチンなんて、機械はどんどん人間らしくなると石井は思った。そして、反対に、人間は機械みたいになっていくような奇妙さを感じていた。




閑話休題

どんどん人間も機械のように
なっていっているのでしょうか?

そんなわけがないから、
壊れてきているような気が
してなりません。


このお話ですが、
赤ちゃんもピーチについた、
魔法の粉で願いをかなえようと
しているのです。





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