磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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核戦争の心理学

2008年02月02日 | 読書日記など
『核戦争の心理学』
   ジェイムズ・トンプソン(編著)/
     黒沢満(訳)/西村書店1988年

あまり、ヒロシマ・ナガサキのことを知らない人たちが書かれたもので、不満足なものでした。



帯に書かれてあります。下「」引用。

「■核戦争が起きた時、人々はどのように反応するのか?
■人間の誤りによる偶発的な核爆発の可能性は?
■衝突を解消し、交渉をうまく進めるにはどうすればいいのか?
英国心理学会が客観的な証拠に基づいて発表した注目すべき声明!」

それにしても、英国はのん気です。下「」引用。

「軍事計画社が想定する類の攻撃が起これば、英国文明の機能を破壊してしまうほど、広範な被害がもたされると思われる。起こりうる心理的反応に関する推測も、これにより無限に上昇する。都市に対する二、三の核爆弾でさえ、英国が黒死病を経験して以来の大災害となるであろう。」

あまり真剣にヒロシマ・ナガサキを見つめておられない気がします。

でも、日本の国民保護法とかで考えておられるのよりは、マシだと思います。

*特定集団 子ども、老人、精神障害者
--子ども。(第二次世界大戦治中の空襲)
12歳までは著しく動揺。
精神障害をもった子どもたちは最悪。

--老人。
情報が届くのが遅いだろう。
老人は残された時間をこわされ、余生を踏みにじられたと感じ、終身、損失感をもち続けるだろう。

--精神障害。
災害の規模に比例して治療のレベルが低くなる。

どこが核兵器なのか?
しかし、日本の国民保護の計画では、このような特定集団のことは考えておられるのでしょうか?

「戦争神経症」について書かれてありましたが、誰にでも起きるというのが現実のように思えます。

退役軍人のその後が書かれてありました。下「」引用。

「リッズによれば、ガダルカナル撤退作戦の生存者全員が復員後神経症の症状を示していた。アーチボルトによれば、その一五年後、生存者の七○%に慢性の外傷神経症がみられ、三分の一が失業し、他の三分の一は安定した職についていなかった。また、退役軍人は器質性の病気にかかりやすく、死亡率も高い。」



英国政府が『防護して生き残れ(PROTECT AND SURVIVE)』という小冊子を出した。
ヨーロッパ全土で『抗議して生き残れ(PROTEST AND SURVIVE)』という反核のための書物が出版されたという。


原爆の効果としか見ていなかった人たちには、理解は難しいとボクには思えます……。







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