『岩波新書 青版792 軍産複合体制』
S.レンズ(著)/小原敬士(訳)/岩波書店1976年
原書名 The military‐industrial complex
若いころにも読んだけど、やはり意味あることが書かれている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/17/9f1060d9729023b5c243ca4cf343dfbc.jpg)
「日本語版への序文」 下「」引用。
「第二次世界大戦以前には、アメリカ人は日本を、その軍人階級によって支配されている軍国主義国家として非難していた。軍国主義者の目標は、アジア全域にたいして帝国主義的支配をひろげることであるということが一般に理解されていた。それは正しかったと、わたくしは思う。
今日は、アメリカ自体が、傲慢な軍産複合体によって支配されている。それは、かつて日本が知っていたものよりもずっと強力なものであり、ずっと野心的なものである。アメリカの軍国主義者は、まさに地球全体の経済的・政治的征服を目指している。かれらは、その目標を覆いかくすために、「国防」「安全保障」、共産主義を「封じこめる」必要などについて語っている。しかし、それは、帝国主義的で--そして反革命的な--対外対策をカムフラージュするためための単なる言葉の綾にすぎない。
軍産複合体は、すべての大陸で、数億の人民の民族自決権を否定しようとしている。それは、帝国主義的なイギリスをふくむあらゆる列強が過去においておこなったよりもずっと強く各国の国内問題に干渉する。ベトナムはこの種の干渉のなかのもっとも恥多いものであるが、しかし、それはアメリカの軍部ねCIAおよび民間軍国主義者が、アメリカの貿易や投資を促進しようとすることが唯一のとり柄である反動的な政府に影響をおよぼしたり、それを支持しようとするばあいに、用いるやり方の一部分なのである。」
イラク戦争も同様であろうと思う……。
--戦争という麻薬に酔いしれたアメリカ国民!
歴史を大切にしてもらいたいものだ。
--いや、それに乗じていた日本人も同様だろう……。
科学が理解できるとしたら、このまま続けていたら、まさに破滅への道だろう……。下「」引用。
「アルバート・アインシュタインはかつてこうった。広島に落された爆弾は、それによってひき起された変化の性質を理解する人間の能力以外のあらゆるものを変えてしまった、と。われわれは、手おくれとならないうちに、アメリカ国民がその軍産複合体に始末をつけ、そしてあらゆる国の国民が、自分自身の目的のためにアメリカの軍産複合体と手を結びたがっているエリートを同じように始末することを祈るほかはない。
一九七一年五月六日
シドニー・レンズ」
第二次大戦からはじまったという。下「」引用。
「正規の筋書では、軍産複合体は、第二次世界大戦と、それに勝つために必要であった複雑な兵器とともに起ったものであった。軍事省や戦時生産局は、航空機、大砲、戦車などをつくり出すためには産業に頼らざるをえなかった。電子工学や原子力が兵器となるとともに、頭脳力を供給する大学が選ばれた。」
原爆はその結果ですね。
恐怖をつくりだして、戦争状態の経済をつくりだす……。下「」引用。
「このような見解は、政府の内外の企業指導者によって補強された。それは、ディロン・リード社のジェイムス・フォレスタルやジェネラル・エレクトリックのチャールス・ウィルソンなどであった。「わが国が必要としているのは、永久的な戦争経済である」とチャールス・ウィルソンは一九四四年一月にいった。-略-議会は「必要な資金を議決することにかぎれら」、軍部と大企業が演出をおこなうであろう。
なぜわれわれは「永久的な戦争経済」が必要なのであろうか。従来、アメリカ人は、われわれも同盟国もソビエト・ロシアからの軍事的攻撃の危険にさらされているということを、うんざりするほど聞かされていた。-略-
ソビエトが、まだその最初の原爆を獲得しておらず、実験もやっていなかったずっと以前に、レスリー・R・グローヴス中将は、原爆攻撃の最初の五時間で四○○○万人のアメリカ人が殺されるであろうということを警告した。またカール・A・スパーツ大将は、現場が落下しはじめれば、国防は手おくれとなるであろうと説明した。軍部はこのような不吉な絵を描くことによって、一九四八財政年度にたいする一二○億ドルの予算の承認をうることができたのである。」
アメリカは豊かではない。
--とくに、貧民層……。
そして、それを輸出するアメリカ。
アメリカの経済は昔から傲慢……。下「」引用。
「通信員ジョセフ・C・ハーシは二、三年前に次のように書いた。「ヨーロッパは今日、ロシアの軍事力よりもむしろアメリカの経済力によつて、いっそう多く攪乱されている。」」
今は、イラク戦争の失敗によっても、世界経済を狂わせている……。
--オバマがまともな政治をすれば、これほどひどいものではないだろうが……。
危険、あるいは戦争をつくりだしてきた、システムである……。下「」引用。
「二、三○億ドルのアメリカの援助が、フランスがインドシナにおけるその帝国を防衛することを(十分にではなかったが)助けた。またワシントンから物資の補給をうけたNATO軍が、フランスによって、アルジェリアのゲリラを打ち敗ろうとした無駄な努力のために用いられた。蒋介石は、共産主義者を中国に遠ざけておくために、三○億ドルを与えられた。イランの国王は、CIAの陰謀によって、再びアメリカの大砲とともに権力を与えられた。」
日本の原発建設にも、このような手を使ったアメリカ……。
--それに対抗できない日本の政治家、ドイツとは大違いであるとも思う……。
index
INDEX
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S.レンズ(著)/小原敬士(訳)/岩波書店1976年
原書名 The military‐industrial complex
若いころにも読んだけど、やはり意味あることが書かれている。
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「日本語版への序文」 下「」引用。
「第二次世界大戦以前には、アメリカ人は日本を、その軍人階級によって支配されている軍国主義国家として非難していた。軍国主義者の目標は、アジア全域にたいして帝国主義的支配をひろげることであるということが一般に理解されていた。それは正しかったと、わたくしは思う。
今日は、アメリカ自体が、傲慢な軍産複合体によって支配されている。それは、かつて日本が知っていたものよりもずっと強力なものであり、ずっと野心的なものである。アメリカの軍国主義者は、まさに地球全体の経済的・政治的征服を目指している。かれらは、その目標を覆いかくすために、「国防」「安全保障」、共産主義を「封じこめる」必要などについて語っている。しかし、それは、帝国主義的で--そして反革命的な--対外対策をカムフラージュするためための単なる言葉の綾にすぎない。
軍産複合体は、すべての大陸で、数億の人民の民族自決権を否定しようとしている。それは、帝国主義的なイギリスをふくむあらゆる列強が過去においておこなったよりもずっと強く各国の国内問題に干渉する。ベトナムはこの種の干渉のなかのもっとも恥多いものであるが、しかし、それはアメリカの軍部ねCIAおよび民間軍国主義者が、アメリカの貿易や投資を促進しようとすることが唯一のとり柄である反動的な政府に影響をおよぼしたり、それを支持しようとするばあいに、用いるやり方の一部分なのである。」
イラク戦争も同様であろうと思う……。
--戦争という麻薬に酔いしれたアメリカ国民!
歴史を大切にしてもらいたいものだ。
--いや、それに乗じていた日本人も同様だろう……。
科学が理解できるとしたら、このまま続けていたら、まさに破滅への道だろう……。下「」引用。
「アルバート・アインシュタインはかつてこうった。広島に落された爆弾は、それによってひき起された変化の性質を理解する人間の能力以外のあらゆるものを変えてしまった、と。われわれは、手おくれとならないうちに、アメリカ国民がその軍産複合体に始末をつけ、そしてあらゆる国の国民が、自分自身の目的のためにアメリカの軍産複合体と手を結びたがっているエリートを同じように始末することを祈るほかはない。
一九七一年五月六日
シドニー・レンズ」
第二次大戦からはじまったという。下「」引用。
「正規の筋書では、軍産複合体は、第二次世界大戦と、それに勝つために必要であった複雑な兵器とともに起ったものであった。軍事省や戦時生産局は、航空機、大砲、戦車などをつくり出すためには産業に頼らざるをえなかった。電子工学や原子力が兵器となるとともに、頭脳力を供給する大学が選ばれた。」
原爆はその結果ですね。
恐怖をつくりだして、戦争状態の経済をつくりだす……。下「」引用。
「このような見解は、政府の内外の企業指導者によって補強された。それは、ディロン・リード社のジェイムス・フォレスタルやジェネラル・エレクトリックのチャールス・ウィルソンなどであった。「わが国が必要としているのは、永久的な戦争経済である」とチャールス・ウィルソンは一九四四年一月にいった。-略-議会は「必要な資金を議決することにかぎれら」、軍部と大企業が演出をおこなうであろう。
なぜわれわれは「永久的な戦争経済」が必要なのであろうか。従来、アメリカ人は、われわれも同盟国もソビエト・ロシアからの軍事的攻撃の危険にさらされているということを、うんざりするほど聞かされていた。-略-
ソビエトが、まだその最初の原爆を獲得しておらず、実験もやっていなかったずっと以前に、レスリー・R・グローヴス中将は、原爆攻撃の最初の五時間で四○○○万人のアメリカ人が殺されるであろうということを警告した。またカール・A・スパーツ大将は、現場が落下しはじめれば、国防は手おくれとなるであろうと説明した。軍部はこのような不吉な絵を描くことによって、一九四八財政年度にたいする一二○億ドルの予算の承認をうることができたのである。」
アメリカは豊かではない。
--とくに、貧民層……。
そして、それを輸出するアメリカ。
アメリカの経済は昔から傲慢……。下「」引用。
「通信員ジョセフ・C・ハーシは二、三年前に次のように書いた。「ヨーロッパは今日、ロシアの軍事力よりもむしろアメリカの経済力によつて、いっそう多く攪乱されている。」」
今は、イラク戦争の失敗によっても、世界経済を狂わせている……。
--オバマがまともな政治をすれば、これほどひどいものではないだろうが……。
危険、あるいは戦争をつくりだしてきた、システムである……。下「」引用。
「二、三○億ドルのアメリカの援助が、フランスがインドシナにおけるその帝国を防衛することを(十分にではなかったが)助けた。またワシントンから物資の補給をうけたNATO軍が、フランスによって、アルジェリアのゲリラを打ち敗ろうとした無駄な努力のために用いられた。蒋介石は、共産主義者を中国に遠ざけておくために、三○億ドルを与えられた。イランの国王は、CIAの陰謀によって、再びアメリカの大砲とともに権力を与えられた。」
日本の原発建設にも、このような手を使ったアメリカ……。
--それに対抗できない日本の政治家、ドイツとは大違いであるとも思う……。
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