磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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きのこ雲第3集(山梨県被爆者の体験文集)

2007年05月13日 | 読書日記など
『きのこ雲第3集(山梨県被爆者の体験文集)』
    山梨県原水爆被害者の会(甲友会)1985年

この冊子も、今住んでいる西東京市に原爆小文庫があるからと思いました。甲友会というのは、甲州にあるからだという……。



鼻血に恐怖症と書かれてありました。父の愛を感じました……。下「」引用。

「 父が来てくれたのと危機を脱したことが重なって、熱も下り始め心身共に楽になった。父が来たので私は個室に移された。私は「白血球が少ないので、鼻血が出ると止らないから、二、三時間で終りだよ。亡くなった人たちにはそういうのが多かった。」と父に話しておいた。五日の夕方、口の中がおかしいので唾を吐いたら真赤だ。あお向けに寝ているので、鼻血が口の中に溜ったのだ。父があわてて軍医の所に走り、すぐ止血剤を注射したが、白血球が少ないから余り期待が持てないことを父に告げた。それは死の宣告だった。意識がはっきりしているのに、後二、三時間で終りだと思うと、この時ほど死の恐怖を感じたことはない。父が氷を見つけてきて、凍傷でも起すかと思う程顔面を冷やしてくれた。それがよかったのか、三十分位で偶然のように鼻血は止まり、軍医は驚いていた。今考えても私はほんとうについていたように思う。この後も、いつまた出血するかと当分の間は鼻血恐怖症になっていた。」

ドクダミという植物は強いのでしょうか? ほかでもこんなことが書かれてありました。下「」引用。

「「広島に原爆が投下されたが毒だみだけは残っている。だから毒だみが一番白血球には良い」と誰に聞いたのか。母は毒だみをとって蔭干しにしてそれを煎じて呑めと言う。しかし、私はこれだは呑まなかったが、それを呑んだ人も多かった。他の人と違って私の白血球数は、検査の度に増えていった。それでも五千近くになるまでには相当期間を要した。」

最近では、健康にいいと、他のお茶とブレンドしたのが売られていたと思います。

きのこ雲のわかりやすい表現。下「」引用。

「一瞬私達は近くのガスタンクが爆発したのかと思いましたが、そのタンクは異状ありません。その方向に一本の火柱が上り、そのまんなかは赤いと言うかレンガ色と言うか、火のかたまりがもくもくと立ち上っているではありませんか。これがいわゆる「きのこ雲」で、まわりは雲のようですが、まん中は火のかたまりです。」


相生橋の市電のレールのことを記述してありました。下「」引用。

「又相生橋の市電の軌道が五、六センチも沈下しており、その爆風の強烈さに驚きました。」
観察力のある方ですね。

16歳の少年兵が、被爆したことも書かれてありました。

「二十年の歩み」というタイトルで年表がありました。下「」引用。

「昭和40年
2・24 甲府市内「東京ずし」に於て結成大会
    命 名 甲州の甲をとって「甲友会」ときめられる
    協力者 原水爆禁止山梨県協議会・県宗教物平和協議会・
        県勤労者医療協会、県平和委員会」


絵画展、会議など、さまざまな活動されてこられたようです。







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