磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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広島反転爆撃の証明

2007年07月29日 | 読書日記など
『広島反転爆撃の証明』
   若木重敏・著/文藝春秋1989年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「いったん侵入したエノラ・ゲイは、なぜ広島を出てから再侵入したか?
被爆した海軍の技術士官が惨劇の中で抱いた疑問」



専門家であった著者。下「」引用。

「それは著者である私が被爆者である前に爆発の研究とする研究者であり、また戦争に深い関わりを持つ海軍技術士官であったため、冷静かつ客観的客観的に観察を進め記録を取ることができたためではないかと考えている。」

当時も宮島は観光地だったようです。
広島と宮島を結ぶ道を、「観光道路」と呼んでいたそうです。

当時、無傷で奇跡的に助かった人が長崎にもおられましたね。

無傷で喜ぶ少女の一群がいたと、著者は書く。
その人たちは、警報解除になったのも知らず防空壕にいたという。

原民喜が描いた「夏の花」の中にも、元気そうに喋っていたと書かれてあったと著者。

たとえ、防空壕にいて無傷にみえても、原爆症はほうっておかなかった。
長崎の無傷で、防空壕から笑顔でカメラにおさまった若い女性は、原爆症となり苦しい生活をされて若死にされた……。

入市被曝といって、爆弾が炸裂したときに広島や長崎にいなかった人たちも被曝され、原爆症で苦しまれました。

見た目では無傷でも、内臓などに傷ついているということがわかっていない著者……。

親が亡くなり、「とうちゃん、とうちゃん」とすがりついてくる子供。
顔の半分は四谷怪談の「お岩」で、もう半分は彫像のように端声な美女。

佐久間助教授という方は原爆を理解されたようです。
この後、放射能をはかりたいが、機械も焼け残ってはいなかったという。

著者はいろいろな資料から考えて、反転爆撃したことは間違いないと考えておられる……。

無防備をねらう! 米軍。
そのために、何度も空襲警報をださせるのが作戦。
結果、空襲警報で疲労する市民。
空襲警報解除で安心して外にでる。
--そうした方がより効果的に大量殺戮ができると計算……。

ストレート・フラッシュ号の役目。
単純な気象観測ではなく、この役目も果たしていたという……。
空襲警報をださせること……。

この作戦は、ヨーロッパ戦線で実証済み。
--ハンブルグ空襲、爆弾一トン当たり6.5人を殺し、ドレスデンでは45人。

長崎は広島でのことがあるので、さらに空襲警報を長く出させ、それに疲れ、あるいは日常の仕事で外に出る人を一時期に増やすために、なかなか投下させなかっただろうという……。
もし、燃料がなくても、サイパンまで帰る必要はなく、沖縄があったとも指摘。

著者は書かれています。下「」引用。

「広島への反転爆撃という残酷な奇襲は、真珠湾奇襲という細工をした日本が甘受しなければならない歴史的運命であったと考えなければならないのであろうか?」


これは比較対象するのが間違っていると思います。
軍の施設と都市の壊滅。
あるいは文化のホロコーストを狙ったものです……。

アメリカは『原爆神話』をつくりだすためには、平気で嘘をつく。

実態は『神話』ではなく、『大量殺戮』
--それが事実であって、他にはありえません……。

『大量殺戮』を計画的に練り上げ実戦したのがヒロシマ・ナガサキの原爆……。

『神話』になりえないものさえ、『神話』にしてしまうアメリカン・ジャーナリズム。

--日本もかなり影響を受けていますね。








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