磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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新装版 アメリカの日本空襲にモラルはあったか

2007年11月13日 | 読書日記など
『新装版 アメリカの日本空襲にモラルはあったか』
   ロナルド・シェイファー(著)/深田民生(訳)/
      草思社1996年、2007年新装版1刷

あるわけないでしょうと、タイトルを見てすぐボクは思いました……。



連合国の一員として、ドイツを空爆したアメリカ。
1945年4月、一人の航空戦史官、ナチスの死の収容所へ。下「」引用。

「「ここには戦略爆撃からくる良心の呵責に対する解毒剤がある」と述べた。」

日本の空襲でも同様のことをアメリカ人は思っていた。
日本軍は各地で残虐行為を繰り返していた……。

スティムソンと文明。下「」引用。

「スティムソンは、当時、文明と呼ばれていたもの、すなわち、主としてヨーロッパ文化およびアメリカにおけるその支流に深い愛着を抱いていた。彼にとり、文明とは資本主義、西欧キリスト教、代議制および立憲政府といった政治形態のみならず、傑出した芸術家や作家らが集った母の実家や、たびたび訪れたヨーロッパで触れた文学および芸術を含むものであった。しかし、スティムソンは必ずしもヨーロッパ中心主義的ではなかった。フィリピン総督として、また、極東を旅行した者として、東洋の文明を高く評価するようになり、自分は「東洋人の心」を理解していると信念を強めていった。」

1940年に、スティムソンは陸軍長官に就任。
スティムソンが、原爆投下を決めたという人もいる。
--原爆神話はトルーマンでは作れなかっただろうとボクも思います。

ドイツ軍のロンドン夜間爆撃を研究した米軍。
--ナチスなら犯罪で米軍なら正義になるのだろうか?

バチカンはアメリカの攻撃を非難! 下「」引用。

「バチカンはその他の教会筋からの抗議は手厳しく、ナチスはこれを最大限に利用した。アメリカ側の幹部はこれに対抗して、修道院はドイツ兵をかくまっていた(実際にはわずかな避難民と数人の修道僧がいただけであったが)と宣言し、アメリカのローマ・カトリック教会の指導者はこの事件を承認しているという声明を発した。ローズベルト大統領はその修道院をドイツ側の「拠点」と呼び、ドイツ軍砲兵隊がなかに配置されていたと主張、爆撃は不運であったが軍事的必要性があったのだ、と新聞記者に語った。」

第二次世界大戦ではアメリカ軍は正義だったというハリウッド映画もあるが、事実はそんな単純なものではないだろうとボクも思う……。

スティムソンはドレスデンの無差別攻撃政策を非難されても、調査せず。うやむやにする……。

スティムソンのペットシティ京都のことも書かれてありました。


火炎兵器(焼夷弾など)開発は、コロンビア大学化学教授、J・エンリケ・ザネッティ大佐をロンドンに派遣。
アーサー・D・リトル社、E・I・デュポン社、イーストマン・コダック社、スタンダード石油開発会社その他の化学品関係業者が協力。

スタンダード石油グループは、尾部からナパームを噴出する小型のきわめて有効な焼夷弾M69を開発。

この歴史の流れから、アメリカは巨費をかけ、大掛かりな『原爆神話』をつくる必要があったようだ。








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