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朝永振一郎著作集 別巻3 朝永振一郎 人と業績

2008年06月05日 | 読書日記など
『朝永振一郎著作集 別巻3 朝永振一郎 人と業績』
   湯川秀樹、他・著/小沼通二・解説/みすず書房1985年

この本は朝永振一郎著作集になっていますが、湯川秀樹など関係のあった人たちがたくさん書かれてあります。

一番わらったのが、朝永博士のお孫さんの書かれた文章でした。
--おもろいおじいさんだったみたいです!

しかし、その業績は研究だけに限ったものではなかったようです。

今の学者にこんな人がいるのでしょうか?

1963年、米国原子力潜水艦についても朝永博士は反対します。下「」引用。

「アメリカが原子力潜水艦の日本寄港を要求してきたのは一九六三年の一月のことであった。朝永さんは日本学術会議の会長に就任早々、この問題に直面することとなった。運営審議会はその三月に、政府に対し原潜の安全性を検討するよう要望し、「海洋の放射能汚染に関するシンポジウム」を開いた。さらに四月の第三十九回総会では、「安全が確認されないまま、原潜の日本寄港はのぞましくない」との声明を出した。これを受けて、湯川さんたちも同様の趣旨の声明を出し、私もその署名者の一人となった。
 また檜山義夫さんや、私たち海洋学、水産学の科学者グループも、原潜による海洋汚染の危険性を説き、原潜寄港反対の意志を表明した。この声明は各国の科学アカデミーに送られ、インドのウダイプールで開かれた第十二回パグウォッシュ会議(一九六四年)でも発表された。
 これに対し、ときの池田内閣は、総理府総務長官を通じ「政府の方針に反する内容を国民に訴えることは、政府機関たる日本学術会議の性格と使命に照し遺憾である」として、日本学術会議をきびしく非難した。このことで、政府自民党の一部から、学術会議廃止論をとなえる人も出るようになった。」

そして朝永学長は警察ともやりあったようです。下「」引用。

「ハガチー事件という国際的大事件に学長として対処しなければならなくなった朝永先生にたいして、はやくも六月十五日現在、全国の原子物理学者二○二名が署名した「朝永先生に対する激励文」が寄せられた。残っているガリ版刷りの激励文を紹介しよう。
 私どもは、戦争を地上から絶滅しようとするパグウォッシュ精神にもとづく、先生のたゆみない御努力に対して、かねてから深い尊敬と心からなる共感とを抱いてまいりました。
 今回の警察隊の学内乱入事件は、大学につとめ、研究に従事する者の立場として、学問の自由と大学の自治とに対する重大な侵害として深い憤りを覚えるものであります。
 私どもは、先生が、学問の自由と大学の自治を守るために毅然たる態度をとられること(「を」脱カ)固く信じ、全面的に先生の立場を支持するものであります。
   六月十五日
 署名者の代表者として名をつらねているのは、野中倒、武谷三男、藤本陽一、武田暁、坂田昌一、小林稔、山内恭彦、久保亮五の諸氏である。」

白を黒と教える学者の下で、いい学者が生れるとはボクには思えません……。

--いつものことが、ここでも気がかりとなりますね……、朝永博士、湯川博士なき日本の学界……。









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