磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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アインシュタイン・ショック 第I部 第II部

2007年08月07日 | 読書日記など
『アインシュタイン・ショック 第I部
 大正日本を揺るがせた四十三日間』
      金子務・著/河出書房新社1981年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「大正日本の遭遇! 光を曲げた革命児と大正デモクラシー下の日本列島を吹きぬける熱狂的なアインシュタイン旋風--身に危険のせまる欧州をあとに遥かな旅にでた時代の寵児と大正日本の出会いの衝撃--大正11年。
プリンストン大学に眠る「訪日日記」を遂に発掘して現代史と伝記の空白を埋める感動的ノンフィクション!」




訪日の目的は二つあったという。

1. 「ラフカディオ・ハーンなどで読んだ美しい日本を実際に自分の眼で確かめてみたい」
2. 「科学の世界的連繋によって国際関係を一層親善に導くことは自分の使命」


第一次世界大戦では、多くの科学者が国の味方し、武器を開発したという。
アインシュタイン博士と同じユダヤ人のフリッツ・ハーバーは、愛国者で毒ガスを開発。
第一次大戦では、ユダヤ人迫害はおこなわれていなかった……。

それに対して、アインシュタインは平和主義を貫き通したという。
赤十字に協力したキュリー夫人も人道主義だとボクには思えます。


ラッセルも来日していたという。それも出版社がしていたとは知りませんでした。下「」引用。

「初期の改造社がやった最大の事業は、ラッセル(大正十年七月十六日門司着、同三十日発)、サンガー夫人(同十一年三月十日横浜着、四月五日下関発)、アインシュタイン(同十一年十一月十七日神戸着、十二月二十九日門司発)という世界のかくれもない名士三人が立てつづけに極東の地に招いたことであった。」




『アインシュタイン・ショック 第II部
 大正日本を揺るがせた四十三日間』
      金子務・著/河出書房新社1981年


愛国主義による殺人に反対。下「」引用。

「アインシュタインは科学者である前に人間として、愛国主義の名における殺人に厳しく反対し、制度や国家を牛耳る機械的機構によって失われようとする人間の価値をいかに守るかに腐心したのだ。人間の出会いはまさに立会いの一瞬で決るといえよう。惜しむべきは、わが国の文人・ジャーナリストの歴史的通弊でもある室伏の科学への無理解と、虚勢ともいうべき強がりである。」

この著者は日本をタコつぼ型社会と書いておられます。下「」引用。

「アインシュタインの宗教観を斎藤が知らなかったのは残念だが、同時に、科学と宗教を頭から別扱いする反応は、「蛸壺」型日本知識人の通弊なのかもしれない。」


アメリカは一次元の世界と。下「」引用。

「アインシュタインの米国観は、その後の訪日当時もさして変っていなかった。あの時、同行の石原純に向かって、「アメリカに行ったことがあるか」と問い、「ない」と聞くと、「あんな国にゆくものでは決してない。あそこはすべて金銭ばかりの一次元の世界だから」と語ったという。」


ボーアとの手紙のやりとりや、湯川博士のことも書かれてありました。

XXとは? 何でしょうか? 下「」引用。

「平和主義的努力に対する最大の危険は、軍人階級あるいは戦争に経済的な利害を持つ階級による敵対や圧迫にあるのではなくて、大部分の平和主義の、目標は××によって達成され得るという幻想にあるのです。
   A・アインシュタイン(××は原文、日本語訳文ともに伏字)」

おそらく、共○ではないでしょうか?

イデオロギー対立で、何度も人類を虐殺できる核兵器をつくりあげましたね!

その核兵器を廃絶するために、アインシュタインは努力された……。

そのことも書かれてあります。

「平和のために」という博士の文章もありました。

「世界政府」と「世界連邦」とは違うことらしいです。

世界というよりも、「地球国家」「地球連邦」が環境問題も意識される時代にはいいような気がします。

しかし、グローバル企業というのは軍需関連企業が多いと書かれている方もおられたかと思います。











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