磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

D129.ラッキー・マザー

2006年01月25日 | 【小説】 レインボー...
X.赤色の部屋(虹の世界)

D129.ラッキー・マザー





「環境によって、生物は形を変えていったんだよねえー」
「そうみたいねえ、海で生物は生まれたのよね」

「そう人間は肌の色で差別というのをしているらしいが、人間だって最初は一つだったんだよ」

 人間の細胞の中にミトコンドリアがある。その中に遺伝子を持っている。その遺伝子は母方からしか遺伝しないのである。そのDNAを調べていくと、母がわかっていく。

 それを研究したのが、ハワイ大学遺伝学部のレベッカ・キャン教授である。各国の女性のDNAのルーツを捜す研究をしたという。十五万年前の彼女はアフリカにいたという。彼女はミトコンドリア・イブ、ラッキー・マザーといわれている。彼女のミトコンドリアだけが受け継がれたというのだ。
 しかし、仮説でしかないという学者の意見もある。

「そうよね、差別はいけなわいよね」

「動物……、遺伝子は大切なもので、人類はその貴重な種を受け継いでいくと昔は本に書かれたあったものだ。しかし、ハエと人類の遺伝子はそほど違いもないという」

「えっ、ハエと……」
「そうだよ。人間さまの方が偉いかい? それなら、空を飛べる人がいるだろうかあー。あー、いやいや、もう言い争いはする気はない……」

 人間は空など飛べもしないし、植物のように自らだけでは生きてはいけない。

「ハエと人間がそう違いがないのか」
「もちろん、遺伝子のことじゃよ。人間には文化がある。しかし、最近の人類はとくに先進国といわれている悪い道にそれた人たちには、文化がわからなくなってきている。食べ物についてでもある。伝統食はいいものじゃよ」

「それはママにもきいているわ。でも、私のおじいさんはやりすぎよ」

「いや、菜食主義も悪いものじゃない。よく考えておられると思うよ。食物だって環境の一つで軽んじてはいけないことだよ。日本人の子供たちは、カレーやハンバーガーなどの柔らかいものばかりを食べるようになって、噛むことが少なくなり、顎の発育が悪くなって、歯並びが悪くなるし、それから肩凝り、腰痛に悩んでおるそうじゃないか」

「カールのように、野菜を食べまくったらそんなことはないでしょうね」
 ユリカは笑いをこらえていた。

「そのとおり、ア・ハー」
「どうしたの、カール!」

「もう、もとの世界にもどれるよ」
「本当?」
「本当さ。さっき、あのフクロウさんにきいたんだからね」
 フクロウの親子がウインクした。

「じゃ、どうすればいいの」
「簡単さ。それは……」
「それは?」
「それは、今、一番、言いたいことを大きな声で叫ぶんだ」

「今、一番、言いたいことを大きな声で叫ぶのね」
「そうさ」

「そうすると、この不思議な世界から出られるのね」
「そうさ、はやく、言ってごらん」
「えっ!」

 スゥーとユリカはおなかにいっぱい空気をすいこんだ。

 そして、
「ママ、大好きよー」
 と、われんばかりの声で言った。

 ユリカの体は浮き始めた。蝶のように手を動かしている。ユリカは赤色の部屋の天井をぬけ出した。

「わーい、ふしぎな世界から出られたわ。カール、カール」
「はへー、ここまで来ちゃった」
 カールはポツンと言った。

「カール、ここお空」
「そう、虹のてっぺん」
 黄金の龍の上にカールもユリカも乗っていた。

「七色の虹が輪になっているのね。虹は本当にふしぎね」
「本当だね」

「ここから、どうやっておりるの」
 ユリカはカールにきいたが、黄金の龍が、
「まかしておきな」
 というと、黄金の龍はクルクルと回転しだした。

「そう、わー!」

 ユリカは七色の虹をすべりおりて行く。速度を落そうと思って蝶々のように手を動かすとスピードは少し遅くなった。それでも景色はだんだん線のように流れていく。

 黄金の龍の体は虹色に輝いていた。虹という字は文字として見ると、虫という字がついているが、龍のことであるという人がいる。蛇という字にも虫がついているでしょう。蛇神というのがいて、その進化していったものが龍神だという人もいます。

 七色に輝く龍は、すがすがしい笑顔でいる。

「わー、あそこがオレンジルーム、あそこがブルールームがあったところね」
 ポケットの中のカールも地上にすごい勢いでおりて行く。目の前は、七色の光がさまざまに混ぜられ、地上についたと思ったとき、黄金の龍の顔が太陽のように眩しく輝いた。ユリカの目はまっしろになり、意識を失いました。




閑話休題

このシーンは少しかえました。
雨漏り師匠のおかげです。
蛇神と龍神のことは、
ここをクリックしてくださいませ。

南米でも龍神信仰があるとは知りませんでした。

今読んでいる本では、
アレルギー子どもの食事には、
やはり和風がいいし、お菓子も洋菓子よりも、
和菓子の方がいいように書いておられます。






↓1日1回クリックお願いいたします。

ありがとうございます。





[レインボー・ループ]もくじ








最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
宗匠の (雨漏り書斎)
2006-01-24 23:45:07
頭はどうなってるんでしょう?

こんな物語をどんどん紡ぎ出せるなんて!



韓国人は顎が丈夫なのは有名ですね。

でも、キムチを食べられない子供が増えてるそうです。
返信する
キムチも本場のはすごいのもありますよね (鱧男)
2006-01-24 23:56:10
キムチも日本のがいいと私は思います。

お子ちゃまと言われますね。



アレルギーも新しい本を読んで、

さらに進んでいるようです。



映画にすると綺麗なシーンかもしれません。

映画化されないので、頭で楽しんでます。



師匠のおかげですね。



あの神社や横綱がつけているしめ縄も、

蛇を表現しているらしいです。



蛇は脱皮するので、新しい生命を意味するとか。

だから、正月にしめ縄を飾るそうです。

知ってはると思いますが……。



ありがとうございました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。