磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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南京事件をどうみるか 日・中・米研究者による検証

2008年04月14日 | 読書日記など
『南京事件をどうみるか
   日・中・米研究者による検証』
     藤原彰・編/青木書店1998年

よくまとまっているのではないかとボクは思います。帯から。下「」引用。

「事件発生から60年。
事件認識の深化、研究の進展を背景に、範囲・期間を含む事件の規模、戦争犯罪・戦後補償の検証をめぐって展開された白熱の討論--日本・中国・アメリカの研究者による国際学術シンポジウムの記録。」



この本が出版されたころは、南京事件から60周年だったそうです。

政治的目的による南京問題。下「」引用。

「戦争放棄を理念とする日本国憲法を改正しようとする勢力にとって、戦争への批判や反省は何よりも障碍になる。侵略の事実を隠蔽して、戦争を美化しようとするのは、憲法改正をはかるために必要な前提条件であるといえよう。歴史教科書を攻撃して、南京大虐殺や従軍慰安婦の記述を削除せよと主張している戦争美化の運動は、ガイドライン改訂、憲法改正という政治的目的に沿うものである。つまりここ二、三年の教科書攻撃、自由主義史観派の運動は、このような政治的主張の一環なのである。」

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沖縄の集団自決もなかったという運動も以後あるわけですね……。

「南京大虐殺を目撃した外国人-イェール大学神学図書館所蔵の文献評価-」章開沅・著、「第一三師団山田支隊の南京大虐殺」小野賢二・著が掲載されていました。

南京大虐殺にかかわったのは、九州から東北までで徴集された人たちだという。下「」引用。

「シンポジウム参加のみなさんに訴えたい。南京攻略戦に参加した部隊の南京での詳細な行動はほとんどが未解明である。日本の現状を考えるなら、公式記録である戦闘詳報や陣中日誌のこれ以上の公開は絶望的と考えられる。
 では、われわれにできることは加害者側の責任として、事実関係を調査し明らかにしていくことしかない。南京攻略戦に参加した連隊すは九州から東北まで存在する。」

そして、政治的問題として、ウソをつく人たちが、恐れるのは事実だという。下「」引用。

「調査は困難だが、確実な調査は反論を許さない。南京大虐殺否定論者たちが一番恐れるのは当事者たちの証言と現場でかかれた資料の公表である。これを“現在の者たち”に贈呈しなければならない。」

自由主義史観の人たちのことも書かれてありました。下「」引用。

「笠原 日本軍が南京事件を引き起こした歴史的社会的要因には、日本の近代史上の天皇制と軍隊制度の問題、日本人のアジア人蔑視の問題、女性に対する性差別・人権侵害という現在にもあてはまる問題がからんでくるが、「自由主義史観研究会」の人々はそのような発想がない。」

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「南京事件と国際法違反」斉藤豊・著も掲載されていました。
--国際法だけでなく、軍規にも違反していた。

★英語圏では、Rape of Nanking、 atrocites in Nanjing。
最近、関心をもってきた理由。
1 東アジア全域の重要性がました。
2 1994年2月の永野茂門法務大臣「南京事件はでった上げだ」という「問題発言」。
3 終戦50周年記念。

--ブッシュなどファシストの場合、プロパガンダとして日本はアメリカを責める権利はないという主張のため、南京を利用しているようにも思える……。

日本であろうが、アメリカであろうが犯罪は犯罪である。

ジョン・ダワーのことが書かれてあります。下「」引用。

「日本に対しても南京事件の歴史事実を回避することはしません。太平洋戦争中の日本と米国の双方の残虐行為を検証したジョン・ダワー氏はその一人であります。」


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