磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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映画つくりの実際 岩波ジュニア新書4

2009年09月25日 | 読書日記など
『映画つくりの実際 岩波ジュニア新書4』
   新藤兼人・著/岩波書店1979年

裏表紙に書かれてあります。下「」引用。

「きみたちの中には映画をつくってみたいと考えている人がいるだろう。あるいは、映画やテレビを観ていて、もっと映画文化を批評する目を養いたいと思っている人も大勢いるだろう。この本は、映画つくり四十年の新藤兼人監督が“映像とは”“シナリオとは”ということから映画の実際のつくり方までを、豊富な体験をとおして語ってくれる。とくに、高校生がつくった映画と比較しながらつくり方の基本を手ほどきしてくれるからよくわかる。」



「この本の読み方」より。下「」引用。

「この本は、いろんなふうに読んでもらいたい。
 まず順序どおり第I部の「1・映像とは何か」をさらっと読んでから、「2・シナリオとは何か」をじっくりと読んでもらう。映画をつくるのは、まずシナリオである。シナリオを書きおわったところで、映画づくりの骨組はだいたいおわるのである。-略-
 第II部の「高校生がつくった映画」が、なぜ加わったかというと、映画のつくり方はプロでもアマチュアでも同じやり方だということである。-略-
 第III部に「シナリオの実際として『愛妻物語』がおいてあるが、これはシナリオの見本のために付録としてつけ加えたのである。第I部の「シナリオとは何か」のあとでこれを読んでもらうのもおもしろい。-略-
 この本は、映画の中を生きてきたひとりの実際家の意見である。」

活動屋……。下「」引用。

「無声(むせい)映画の時代はコトバがないために、一にも二にも「絵」で語らねばならなかった。映画という魔法のフィルムを手にした活動屋たちは、好奇心に酔いしれて熱狂した。思いつくこと何でも試してみたかった。-略-」

阪妻のクローズアップに渦巻を重ねたり、?を画面の奥からとびだしてくるものなどの趣向があったという。

『戦艦ポチョムキン』6分間に239カット。

大島渚監督の伏線……。下「」引用。

「前述の大島渚監督の『愛と希望の街』の、クライマックスの鳩を討つシーンが見事に伏線のうえにのった「映像」である。それ以前に、少年は街頭で鳩を売っており、売られた鳩は飛んで帰ることになっている。だから飛んで帰るべき鳩が射ち落される、射たれた鳩は少年の心なのである。ここで観る者は、あっというほどの思いにつきさされる。-略-鳩を売るのは少年の貧しさである。飛んで帰ると知りながら売るのは、少年の胸のうちに無意識に芽ばえた社会への挑戦なのである。その表現が内容とびったりとけあっているために、伏線を伏線と気づかせないのである。」

いいシナリオ……。下「」引用。

「いいシナリオがどんなもので、悪いシナリオをにぎるとどんな結果になるか、美術の仕事をやりながら現場でつぶさに味わうことできた。悪いシナリオからは、どんな監督があせっても、いいスターが演じようとも、いい映画はできないのである。シナリオは大事な仕事だと思った。」

最近の映画はシナリオがよくないのが多い……。

よくないというより、ひどいのが多い……。特に邦画……。








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