磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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C015.タコになりたい!

2005年10月03日 | 【小説】 レインボー...
II.ときどき、雨

C015.タコになりたい!





 ユリカたちは、四十分ほど泳いでいると、笛の音がした。

 大学生はメガフォンを使って
「さあ、プールからあがった、あがった」
 と怒鳴った。

 休憩時間中、ヤスはプールに足をつけている。
「おい、チャボ。芋があったら、グランドにおいといたら、焼きいもになると思わんへんか」
 

 チャボは
「そんなこと、あるわけねぇよ」
 返事をするのも面倒そうである。

 ヤスはしかめつらしいる。
「それほど、暑い言うとるねん。表現や、表現がわからんか」
 

 チャボはうんざりした顔。
「そうか、それやったら、わかるがな。でも、大袈裟(おおげさ)な表現やのう」


 葵はにこっと笑っている。
「ヤスをおいといたら、湯でダコになるがなー」


「うまい! ナイス・ジョーク!」
 とチャボが誉める。

 まわりの子供たちも笑いだした。ヤスは丸顔で目が大きく、日焼けして赤くって、まるでタコみたいだったからだ。

 みんなの笑いが静まってから、ヤスは青空を見つめて、ぼんやりと
「おれ、タコに生まれたかったな」
 と突拍子もないことをいうのであった。

 それをきいたまわりの子どもたちは、また笑った。




閑話休題

この話の今の舞台は、どうも京都府にある京田辺市です。
ぼくの子ども時代の風景に似ています。

祇園よりも、よほど歴史があり、
遺跡なども残っているところです。

歴史通の人は、この地区の方がおもしろいかもしれませんね。

観光化されていませんが、
昔のロマンを感じることはできます。

僕の引っ越したころには、
ご老人が話される言葉はほとんどわからないほど、
方言に特徴がありました。

どのような方言かといえば、
東北弁に似ているんです。

でも、それは偶然ではなく、
昔の京都弁は東北弁に近かったのです。
当時、ご老人が話されていた言葉こそ、
由緒ただしい京都弁だったのです。

ところが、京都の文化は開発されていない
薮や野っ原に移りました。
そこでは、由緒正しい京都弁はすたれ、
東北と、田辺などに残っていたというわけです。

東北弁の方が由緒正しい京都弁に近いのです。
と、誰かがゆうとりました。(-_-;)






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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
京都弁 (雨漏り書斎)
2005-10-03 09:29:59
由緒正しい京都弁が東北弁に似ているというのは、驚きですね。 これは”テーマ”になりそう。
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京ことば (鱧男)
2005-10-03 18:41:37
いわゆる京ことばは比較的新しいみたいです。

幕末あたりからみたいです。

http://www.japan-kyoto.net/kotoba/kotoba_rekisi.html



このテーマで研究してはる人はいはったと思います。

それがどうなったか知りませんが……。



返信する
京ことばの歴史 (雨漏り書斎)
2005-10-03 19:44:16
行って、見て、納得どす。
返信する
ぼくの子ども時代は (鱧男)
2005-10-03 23:15:42
よその家でもそうでしたが、

京ことばを使用すると叱られました。



あれはお店の人とか花街の人が使う言葉、

とても扱うのに難しい言葉ということでした。

ほんま、そうやなあーと思います。



僕は高校のころ、「言語」という雑誌を

購読してましたが、それにも東北弁と京都弁のことが

掲載されていたと思います。



遠い昔なので、記憶も曖昧で間違っているかもしれませんが……。

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