II.ときどき、雨
C015.タコになりたい!
ユリカたちは、四十分ほど泳いでいると、笛の音がした。
大学生はメガフォンを使って
「さあ、プールからあがった、あがった」
と怒鳴った。
休憩時間中、ヤスはプールに足をつけている。
「おい、チャボ。芋があったら、グランドにおいといたら、焼きいもになると思わんへんか」
チャボは
「そんなこと、あるわけねぇよ」
返事をするのも面倒そうである。
ヤスはしかめつらしいる。
「それほど、暑い言うとるねん。表現や、表現がわからんか」
チャボはうんざりした顔。
「そうか、それやったら、わかるがな。でも、大袈裟(おおげさ)な表現やのう」
葵はにこっと笑っている。
「ヤスをおいといたら、湯でダコになるがなー」
「うまい! ナイス・ジョーク!」
とチャボが誉める。
まわりの子供たちも笑いだした。ヤスは丸顔で目が大きく、日焼けして赤くって、まるでタコみたいだったからだ。
みんなの笑いが静まってから、ヤスは青空を見つめて、ぼんやりと
「おれ、タコに生まれたかったな」
と突拍子もないことをいうのであった。
それをきいたまわりの子どもたちは、また笑った。
↓1日1回クリックお願いいたします。
ありがとうございます。
[レインボー・ループ]もくじ
C015.タコになりたい!
ユリカたちは、四十分ほど泳いでいると、笛の音がした。
大学生はメガフォンを使って
「さあ、プールからあがった、あがった」
と怒鳴った。
休憩時間中、ヤスはプールに足をつけている。
「おい、チャボ。芋があったら、グランドにおいといたら、焼きいもになると思わんへんか」
チャボは
「そんなこと、あるわけねぇよ」
返事をするのも面倒そうである。
ヤスはしかめつらしいる。
「それほど、暑い言うとるねん。表現や、表現がわからんか」
チャボはうんざりした顔。
「そうか、それやったら、わかるがな。でも、大袈裟(おおげさ)な表現やのう」
葵はにこっと笑っている。
「ヤスをおいといたら、湯でダコになるがなー」
「うまい! ナイス・ジョーク!」
とチャボが誉める。
まわりの子供たちも笑いだした。ヤスは丸顔で目が大きく、日焼けして赤くって、まるでタコみたいだったからだ。
みんなの笑いが静まってから、ヤスは青空を見つめて、ぼんやりと
「おれ、タコに生まれたかったな」
と突拍子もないことをいうのであった。
それをきいたまわりの子どもたちは、また笑った。
閑話休題 この話の今の舞台は、どうも京都府にある京田辺市です。 ぼくの子ども時代の風景に似ています。 祇園よりも、よほど歴史があり、 遺跡なども残っているところです。 歴史通の人は、この地区の方がおもしろいかもしれませんね。 観光化されていませんが、 昔のロマンを感じることはできます。 僕の引っ越したころには、 ご老人が話される言葉はほとんどわからないほど、 方言に特徴がありました。 どのような方言かといえば、 東北弁に似ているんです。 でも、それは偶然ではなく、 昔の京都弁は東北弁に近かったのです。 当時、ご老人が話されていた言葉こそ、 由緒ただしい京都弁だったのです。 ところが、京都の文化は開発されていない 薮や野っ原に移りました。 そこでは、由緒正しい京都弁はすたれ、 東北と、田辺などに残っていたというわけです。 東北弁の方が由緒正しい京都弁に近いのです。 と、誰かがゆうとりました。(-_-;) |
↓1日1回クリックお願いいたします。
ありがとうございます。
[レインボー・ループ]もくじ
幕末あたりからみたいです。
http://www.japan-kyoto.net/kotoba/kotoba_rekisi.html
このテーマで研究してはる人はいはったと思います。
それがどうなったか知りませんが……。
京ことばを使用すると叱られました。
あれはお店の人とか花街の人が使う言葉、
とても扱うのに難しい言葉ということでした。
ほんま、そうやなあーと思います。
僕は高校のころ、「言語」という雑誌を
購読してましたが、それにも東北弁と京都弁のことが
掲載されていたと思います。
遠い昔なので、記憶も曖昧で間違っているかもしれませんが……。