磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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徳間文庫 東海村原発殺人事件

2009年09月09日 | 読書日記など
『徳間文庫 東海村原発殺人事件』
   生田直親・著/徳間書店1989年

こういうタイトルなら、社会派だと思うのですが……。
鋭い追及などは感ぜず、娯楽作品という感じである……。



「解説」に書かれてあります。下「」引用。

「本篇の女主人公(ヒロイン)として登場してくるのが、茨城県鹿島神宮の大祝(おおほり)である火田玄洋の孫の花野とその妹の青濤(あおみ)である。この姉妹の父は玄洋の息子の火田北甫(きたとし)であるが、この一族は複雑な家庭事情に包まれている。姉の花野は、大学卒業後、放射線医学総合研究所の科学研究員となり、三年ほど働いたのち、原子炉などを利用した生物照射実験設備のある東海村の東海施設に主任技官として配属されているという女性ながらも有能な科学者である。一方、妹の青濤のほうは、祖父玄洋の仕事を助けて、かくれ信仰の物忌の役を与えられ、華やかな物質文明に背をむけた-略-」

暴力団関係者のことが書かれてあります。下「」引用。

「下請け労働者をたばねている者は、組の人間、つまり暴力団関係者がきわめて多いということです。かれらの特質として、飼い主である電力会社には恩誼的忠実さをしめし、飼い主が特定の人間を邪魔だと感じたら、感じただけで飼い主の意図を察し、その人間を暴力的に排除することで会社への忠誠心をしめそうとする点にあります。-略-」

いくら会社関係者になったとしても、忠誠心のあるのは組に対してではないでしょうか?

原発の作業員の結婚差別などが書かれてありますが……。

解説でさえも、差別的ではないでしょうか?

そもそも、原発自体が差別なくして運営できないと、著者も書いています。

それはそうだと思います。

「公害と原発のあるところに民主主義はない」

--そして、暴力や圧力ではなく、理性によって、問題を解決していくのが推理小説。

ある意味、民主主義の時代の産物ですね。

しかし、差別的な思考をもっていては光りません……。

差別をながめているだけでは、差別的だとボクには思えるのですが……。

くわしく調べておられるのですから、一歩、踏み込んでほしかった……。







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