磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

文藝春秋 2011年10月特別号

2012年07月30日 | 読書日記など
『文藝春秋 2011年10月特別号』
   木俣正剛・編/文藝春秋2011年

特集名 大型企画 最強チームの法則



【特集】震災から半年 原発 私は警告する

「除染せよ、一刻も早く」児玉達彦(東京大学教授)。

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「検証・原発報道 誰がウソをついていたか」東谷暁(ジャーナリスト)。下「」引用。

「-略-中部大学教授・武田邦彦氏は、かつて旭化成でウラン濃縮研究所所長を務めており、これまで原発推進派の専門家と見なされてきた。-略-
 ところが、『SPA!』五月十七日号では〈そもそも原子力というのはすでに技術が完成していて、完璧に運用ができるんです。しかも日本の技術はトップクラスなのにこんな事態になったのは、原発の利権が原因〉などと責任を利権に転嫁してしまい、自分はテレビや雑誌に登場し続け、原発事故以降、八冊もの著作を発表して恐怖を煽り続けた。」

大前研一。下「」引用。

「しかし、ほんの数カ月前まで〈日本人は自国の原子力発電技術にもっと自信をもったほうがいい〉と語り、〈国民の理解と合意が得られたら、ぜひ首都圏の近くに原子炉をつくってほしい〉(『お金の流れが変わった!』PHP新書』とまで論じていた大前氏は、今度の事故を境に反転して、脱原発論者になってしまう。〈日本の原子力産業は終わった〉『日本復興計画』文藝春秋というのだ。」

小出裕章。下「」引用。

「しかし、この徹底した姿勢には、不思議な点も見られる。たとえば、〈原子力に携わるものの責任として、チェルノブイリ事故の時から、私は汚染食品を食べることを避けないようにしてきました〉(『サンデー毎日』六月二十六日号)というのが何故なのか。
 その理由は、日本のエネルギー政策の歪みのツケを農業や漁業に払わせるべきではなく、また、自分が食べれば、その分だけ子供たちの口に入る汚染食品が減るからだというのだ(『放射能汚染の現実を超えて』河手書房新社)。しかし、小出氏がいくら頑張って汚染食品を食いまくっても、いったいどれだけ貢献ができるというのだろうか。」

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M9を気象庁が認めても、広瀬は認めないと書かれてあるが、これは阪神・淡路大震災があった経験の上で広瀬隆は当時語ったのだろう……。疑いをもつことは悪いことではない。持たれることが悪い。責任をどこに置くかでかわるだろうが、責任があるのは公的機関でしょうね……。

ICRPの二重基準が正しいと思っている著者。どっちかが正しく、どっちかが間違っているとは思えないようだ。国が基準にしている方を非難している広瀬隆に問題はないだろう。もし、問題があるなら、国かICRPを批判すべきだろう。批判する相手を間違っている著者。

--これじゃ、御用ジャーナリストと言われても仕方がないのでは?

「チェルノブイリで考えた東北の明日」重松清(作家)。
2年以内に帰村(飯舘村)はムリ。下「」引用。

「全村避難という苦渋の決断をした菅野典雄村長は、2年以内の帰村を目指して国や県に働きかける方針を明言している。だが、長谷川さんは「村民に期待を抱かせるだけではダメだ。村の面積の75パーセントは山で、山を除染する方法はわからないわけだから、我々も現実を見なければならない」と言う。」

サマショールの家。下「」引用。

「「サマショール」の家々もそうだった。パスタやヒマワリ油、砂糖やビスケットなどの食糧品を手土産に、2日にわたって2つの村の計4軒を訪ねた。どの家も古く、暗く、小さく、鬱蒼として木立に半ば埋もれるような格好で、ひっそりと、ぽつんと建っていた。」

寂しい……。下「」引用。

「また、5年前に夫と死別して一人暮らしとなったパーリシフ村のアンナさん(75歳)は、取材の間も涙ぐんで寂しさを訴えた。息子2人はベラルーシ共和国に住んでいて、自由な行き来ができない。息子の一人がこっそり帰郷したときには、警察に捕まってベラルーシに連れ戻されたうえに、高額な罰金も支払わされたのだという。」

「反原発に殉ず」アイリーン・美緒子・スミス(グリーン・アクション代表)。下「」引用。

「ユージン・スミスとともに「水俣」を撮った女性が三十年以上にわたる「反原発運動」を語る。」












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文藝春秋 2011年9月特別号

2012年07月30日 | 読書日記など
『文藝春秋 2011年9月特別号』
   木俣正剛・編/文藝春秋2011年

特集名 大型企画 運命を変えた手紙



「東電株式会社総会突入記 六時間にわたる壮大な茶番劇の顛末」万城目学(作家)。下「」引用。

「「電力株はすこぶる配当がよい」
 というのは、あの地震が起きる前日まで、とても有名な話だった。たとえば、東京電力の配当は三%もあった。百万円の東京電力の株を買ったとすると、三万円の配当金が手に入る。銀行に百万円の普通預金を預けても、一年に百円か二百円しか利息がつかぬご時世だ。その差は歴然である。
 もちろん、うまい話ばかりではない。株というものは生き物である。ころころとその評価額を変える。百万円で買った株が九十万円まで値を下げてしまったら、五万円の配当金をもらってもマイナスになってしまう。-略-」

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「TIME誌「世界の百人」に選ばれた被災地の英雄のそれから 国も東電もメディアも他人事」桜井勝延(南相馬市長)。下「」引用。

「「早く南相馬に戻りたい」多くの市民はそう思っている
 東日本大震災から早くも五カ月が過ぎましたが、今でも課題は山積みです。南相馬市は自然災害に加え、人災としての原発災害も受けた地域。しかし、立ちはだかる壁に我々地元自治体の力だけではあまりに貧弱なのが現実です。国が責任を持ってこの事態を収束させ、生活を守るということを名言してくれないと困るのです。それなのに、永田町は被災者にとってはどうでもいうようなことで揉めている。-略-」

「避難した市民が分断されている」 下「」引用。

「実際にそうやって避難した市民の声を聞いて痛感するのは、彼らの間にも格差ができてしまっていることです。「ここには仮払金を出すが、それ以外には出さない」といった対応をされ、同じ避難した市民同士が分断されているのが現実なのです。仮払金が支給されない市民は「見放されている」と苛立ちを募らせることになる。私も、「市長は今まで『一体となってやる』と言っていたではないか」と強い口調での批判を受けています。」

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思いは伝わらない。下「」引用。

「もちろん国や東電の幹部が来た際には不満を伝えていますが、いくら強調しても、こちらの想いは国や東電には伝わりません。先日発表された追加仮払い補償金の問題でも、東電は「三十キロ圏外で避難した市民は対象にしない」とこれまでと全く同じ対応でした。こうして避難した市民を分断するのは、莫大な補償金の支給を避けることで、どうにかして会社を存続させたい東電の身勝手な戦略なのでしょう。」

「私の8月15日、あの真っ赤な炎」八千草薫(女優)。下「」引用。

「66年前の夏、焼け野原に降り注いだ黒い雨を今でも覚えている-略-」

「あの日に戻りたい被災地高校生の部活」











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文藝春秋 2011年8月特別号

2012年07月30日 | 読書日記など
『文藝春秋 2011年8月特別号』
   木俣正剛・編/文藝春秋2011年

特集名 永久保存版 心に灯がつく人生の話



「20キロ圏の神社が消える? 政教分離の原則が神社復興への公的資金活用を阻む」斎藤吉久(宗教ジャーナリスト)。下「」引用。

「福島第一原発から北方に約七キロの海浜に、双葉郡浪江町請戸(うけど)地区という古い漁村がありました。大津波で、全世帯四百三戸がほぼ壊滅したといわれます。
 真っ青な太平洋に臨む、広い浜辺には、荒波を鎮め、豊漁をもたらす神として、少なくとも千数百年の昔から漁民たちに崇敬を集めてきた苕野(くさの)神社がありました。毎年二月下旬に行われる安波(あんば)祭は、下帯姿の若者たちに担がれた樽神輿が冷たい冬の海に入り、大暴れする勇壮さで知られました。-略-」

「三十社以上が流失もしくは全壊」 下「」引用。

「「会津地区」と「中通り地区」では主要建物の一部損壊が広範囲にわたって発生したものの、全壊は報告されていません。とくに被害が集中するのは「浜通り地区」、相馬・双葉・いわきの三支部で、福島第一原発から半径二十キロ圏内の警戒区域の約二百社については、原発事故によって立ち入り調査ができず、被災の実態すら分かりません。しかし、少なくとも三十社以上が流失、もしくは全壊したと考えられています。」

宗教と政治など。下「」引用。

「たとえば、関東大震災と東京大空襲の犠牲者を悼む東京都慰霊堂は、公有地にあり、年二回の慰霊法要があり、年二回の慰霊法要が都内の五つの寺の持ち回りで行われています。長崎の二十六聖人記念碑は長崎市の市有地に立地していますし、小泉内閣以降には首相官邸で「イフタール」というイスラムの断食明けの食事会が行われました。
 しかし、宮中祭祀や神社となると、政教分離の厳格主義が頭をもたげてくるのです。」

戦争中のことがあるからでしょうか? 国家神道がなしたことは、忘れてはならないことと思います。それに、神社は電気会社から大口の寄付をうけ、原発推進だったと書く人たちもいますね。

しかし、長崎では宗教用語が碑に書かれてあると、別に宗教用語に関わらないものでも削除されたという。だが、御用学者やABCCについての非難はしないのが左翼イデオロギーらしい……。御用学者もイデオロギーの奴隷たちも、権威主義という共通点があるからだろうか?

もくじ

「【震災怪獣】モンスター・ボランティア」開沼博士(東京大学大学院博士課程・社会学者)。下「」引用。

「破られた金庫、泥酔するボランティア、募金詐欺……被災地で本当に何が起こっていたのか」

「【機密文書発掘】ロッキード事件の陰に原発あり」有馬哲夫(早稲田大学教授)。下「」引用。

「一九七○年代の原子炉建設ラッシュとロッキード事件とは意外な関係がある。-略-
 同じような建設ラッシュが先進国で同時に起こっていたため、日本はウラン燃料の調達に苦心しなければならなかった。このような状況下の七一年に通産大臣に就任し、ウラン燃料の安定的確保のためにさまざまな方策を講じたのが、のちにロッキード事件で有罪となる田中角栄だった。」

原爆乙女を取り上げた上坂冬子のことが書かれてあったが、上坂は原子力推進派。電力会社との関係が強い作家でもある。

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「日本の「電池」が切れるとき 組織というものは四十年でダメになる」司馬遼太郎(作家)。

「親子で読み続けたい「被災地の子供たちの作文」」森健(ジャーナリスト)。下「」引用。

「子供たちの作文集『つなみ』は、どう読まれたのか-略-」

子供って作文書いた子だけ? 下「」引用。

「「大人には震災から三ヶ月が経ち、無力感に囚われて、時が止まってしまっている人もいる。けれども、子供の時間はつねに進んでいる。それを作文から教えられた気がします」」

大人との安易な比較もいかがなものかと……。
子供にもいろいろいると思いますが……。
編集あるいは選択もかけているでしょうから、意図的なものが含まれもすると思います。

「今、反原発を口にすることは簡単だが」坪内祐三
--原発推進派のつくった原子力神話を信じている。
原発文化人といわれても仕方がないのでは?

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