磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

岩波ブックレットNO.6 「きけわだつみのこえ」37年

2008年08月28日 | 読書日記など
『岩波ブックレットNO.6 「きけわだつみのこえ」37年』
   大島孝一・著/岩波書店1982年

最初のほうで書かれてあります。下「」引用。

「わだつみのこえを空しくないために
償いと犠牲のしるし」




表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「死んだ人々は、還ってこない以上、
生き残った人々は、何が判ればいい?
-略-
死んだ人々は、もはや黙ってはいられぬ以上、
生き残った人々は沈黙を守るべきなのか?
      ジョン・タルジュー
      渡辺 一夫 訳
       (『きけわだつみのこえ』より)」


本の余白の遺書……。下「」引用。

「学徒出陣でC級戦犯として死刑を宣告された陸軍上等兵が、偶然手に入れたという田辺元著『哲学通論」の余白に書き残した遺書がある。「満州事変以来の軍部の行動を許してきた全日本国民に、その遠い責任があることを知らねばならない」、「しかし国民はこれらの軍人を非難する前に、かかる軍人の存在を許容し、また養ってきたことを知らねばならない。結局の責任は、日本国民全体の知能程度の浅かったことにあるのである。」、「天皇の名を最も濫用し、悪用したのも軍人であった」と訴えながら、将校の身代わりに死んでゆく無念さを述べている。」

こんな日本軍の兵長もいたのかあーと思いました。下「」引用。

「渡辺清の『戦艦武蔵の最期』(朝日選書)に、深谷兵長という「赤の万年兵長」が出てくる。「牛でも豚でもよ、殺されるとわかると畳の入り口で、前足をふんばって死にもの狂いで泣いて暴れるっていうのに、おれたちはどうだ、人間のくせに、なんの抵抗もしないで、天皇の命令だというペテンにひっかかって、こうしてみんなおとなしく黙って場へ引っぱられていく。あるやつは名誉の出撃だなんていって、にこにこ笑ってな……。これじゃ全く豚以下だ。勿論死ぬことになにか意味があれば別だが、この場合、正当な意味なんて何もありゃしない」と」

“沖縄のこころ”……。下「」引用。

「“沖縄のこころ”とは人間の尊厳を何よりも重く見て、戦争につながる一切の行為を否定し、平和を求め、人間性の発露である文化をこよなく愛する心であります」と平和祈念資料館の設立理念を述べている。同じく「平和祈念」といいながら、こんなにも違うのはどういうわけか。」

もう一つとは「遊就館(ゆうしゅうかん)」。

タブーをつくりあげていったという……。下「」引用。

「天皇が神聖であるとする憲法は、一八八九年に作られたが、その後、たび重なる戦争が天皇の地位をますます強化した。これが日本人の国民性ともいうべき心情と結びついてタブーが定着した。そのためであろう。敗戦後の一九四七年に制定された日本国憲法のもとにおいてすら、天皇のタブー性は生き残り、家族制度は法律上消えたかに見えるが家族制度の残した意識のピラミッドは現存している。」






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東京ブックレット8 終わりなき戦後-証言と記録-

2008年08月28日 | 読書日記など
『東京ブックレット8 終わりなき戦後-証言と記録-』
   東京新聞・編/東京新聞出版局1994年

戦後を終わらせるような発言をした政治家。
--戦争システムを構築して、あらたな戦争をすすめようとしていたようにボクには思えました……。



--玉音盤事件(8・15事件、宮城事件)があったという。
録音盤は6つあったという。

「ヒトラー暗殺計画を支持 「悲劇の英雄」ロンメル元帥の長男証言」の記事あり。下「」引用。

「しかし、ヒトラーから計画関与を疑われ、自殺を強要された。「父はノルマンディーから敗走中の(一九四四年)七月にフランスで受けた重傷を治療するため(独南西部ウルム郊外の)自宅で療養中の十月に、国防軍将官二人からヒトラーの命令を伝えられた。『暗殺グループ作成の名簿の中にロンメルが新大統領として名が挙がっている。命令通り毒薬自殺すれば家族の安全は保証する』との内容だった。
 母、私、副官の三人がいて、副官は抵抗を主張したが、父は抵抗すれば犠牲者が増える、といって命令に従った。」

規律重視が生んだ大虐殺と……。


--「特攻隊パイロット 死んだ仲間に“同志愛”」という記事あり。

--「日本の“最新兵器”だった風船爆弾」
アメリカで被害者が出たことは書かれてなかった。

「ひめゆり学徒隊 いま平和を誓う語り部」 下「」引用。

「若い世代のために、知人二人と平成五年四月から体験談を基にまとめた『ひめゆりたちの沖縄戦』の漫画版も今春、作製した。自費出版で五千部刷ったところ、東京都内の小学校から「授業の副教材に使いたい」との問い合わせや注文が相次ぎ、増刷が追いつかない状態だ。」

平成6年6月25日、ニュージーランドのウェリントンの石塔に「原爆の火」
--それは「形見の火」だったが、「供養の火」に。「山本さんの祖母はこの火で線香を手向け、火鉢、いろりにも灯し続けた。
「ばあちゃんがあんまり熱心だったので」と山本さんも手伝った。
「叔父を焼き殺した恨みの火」は、こうして無惨に死んだ広島の人たちへの「供養の火」となっていった。真夏でも火鉢を消さず、家族全員で火を守り通した。」

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--人質という表現がとられてあった。
「被爆死した“大東亜の人質”
南方特別留学生マレーシア王子の足跡判明」
--オマールさんのことが書かれてありました。

桜井新・環境長官の「侵略戦争の意図なかった」が問題発言となったという記事もあった。






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新日本新書354 原爆詩人峠三吉

2008年08月28日 | 読書日記など
『新日本新書354 原爆詩人峠三吉』
   増岡敏和・著/新日本出版社1985年

峠三吉は今のところ、本を読んでいて、イデオロギーにかかわる複雑性をみせていない。
--複雑性とは、白を黒にいいかえるような、ファシズムの手法はとっていない。
これは、どんなイデオロギー、あるいは個人であろうと、このような論理とっていたら危険なことである……。
--そして、さらに人道や人権を認めず、人民裁判などを公的な紙面でやりのけては、もはや平和主義の人たちではなく、むしろ迫害などをする○○○パージをする人たちと同様だろう……。
--峠三吉はレッドパージにも正々堂々と戦ったようだ……。



私は日本共産党を目の仇にしているわけではない。
--ごく一部の人たちだ。それは平和に反する人たちだと思っている。
単純なファシズムの定義は、反民主主義であるが、峠三吉は民主主義を好んだように今まで読んだ本ではそう思える……。


峠三吉は短命だったという……。下「」引用。

「峠三吉は、戦後現代詩史に突如登場し、三十六歳で彗星のごとく消えていった詩人である。『原爆詩集』一巻を著しい以来、かれは原爆詩人といわれる。」

以下の部分は実に歴史として遺しておかないといけない部分だろうと思う。
日本にもマーカシー旋風のようなことは起こった。
民主主義ではないものが、流行り病のように、全国にひろがった……。下「」引用。

「職場では「平和」を唱えるだけで「アカ」とみなされ次のレッド・パージの対象にされかねない風潮がつくられた。
 峠三吉が編纂した広島市民と原爆の子のアンソロジー『原子雲の下より』の序文で、かれはこういう事実を示している。「ある者は身にケロイドを負いながら『原爆なんて大したことではない』と話をそらし、ある者は『死ぬ五分前にならねば本当のことはしゃべれない』という、これらのことは一体何を意味するか。それは原爆を語ることは戦争の不幸を語ることであり、戦争の不幸について語ることは勤め人であれば失職の危険をはらむことだということを意味し」たと。」

アメリカでは、このことを映画に遺している。
--民主主義の敵は共産主義ではなく、ファシズムであり、ファシズムが民主主義の皮をかぶることもある……。
……最近では、小泉旋風というものも、一種のファシズムの旋風だったボクは思っている。

このような状況下で戦った三吉……。下「」引用。

「倒閣国民大会では、かれは共産党の自動車に便乗して、車上から「赤旗の唄、インターの唄、喚声、怒号、二月一日の全官公庁のゼネストをひかえて大衆熱狂の嵐へ巻き込ま」(日記)れていった。」


マーカーシーと戦うことが悪いことなのか?

大衆を熱狂させることがいつも悪いことなのか?

狂った大衆操作をしているヒトラーの時代のようなことがあっても、何もしないことがいいことなのか?

あるいはスターリンの時代のようなことがあっても、それを見過ごすことがいいことなのか?

言論としてやることは、もちろん良いことだとボクは思っている。


そして、その時……。下「」引用。

「それが、三吉の変革の烽火(のろし)を告げる作品となった「怒りのうた」であった。」


そして、若き詩人グループが生まれる……。下「」引用。

「『われらの詩』創刊号は、二十頁の活版印刷であった。当時としては華やかなサークル誌であった。内田巌の女子労働者が作業委で座って憩っている絵を四国五郎に模写してもらった表紙にした。」

予想外に売れたという……。下「」引用。

「創刊号は三百部発行した(一部二十円)。みんな一斉に売りまくった。あっという間に売れた。そこで二号を五百部、三号を七百部と増刷した。みんな売れた。毎号黒字であった。そのため一~二回、三吉に「われらの詩の会」常任費として千円だしたことがあった。」

貸本屋の時代ならば、一冊の本も多くの人にまわし読みされたことだろう……。

峠三吉とは、このような人物だったという……。下「」引用。

「それらに対して三吉は、いつも微笑しながらやさしく、しかも本気になって一緒に悩みその相談にのったので、青年たちからほんとによき相談相手として敬愛されていった。これはその後のサークル運動のなかでも同じであった。」

峠の詩を間違ったイデオロギーで政治利用しようとする人たちもいるが……。

峠まで間違っていたとは、今のところ、ボクには思えない。

熱病にうなされた人たちのために、うまれた抗体のように思える……。

今も、核保有論者はおり、ファシストもいる。

いつ、熱病にまたうなされる時代がくるかもわからない……。

「平和をかえせ-峠三吉に捧げる-
           磯野鱧男

平和をかえせ!
イデオロギーで人を支配しようとする者たちよ!

愛をかえせ!
人を支配しロボットにする者たちよ!

やさしさを返せ!
人を切り捨てることを、改革などというバカ者どもよ!
そのくせ、構造的暴力をする教養ある野蛮人たち(官僚・政治家・一部の企業・マスコミ・学者・教師・公務員……)。
--その人たちの特権は守られている。
見事に改革されることはない……。

人間の夢を返せ!
ロボットにするための、きれいごとのテレビよ!
欲望の論理だけのテレビよ!

人間の良心を返せ!
セレブなどと名乗る芸能人よ、
勝ち組などという差別をするマスコミよ!

人間の力を返せ!
すべてのことを市場原理にする、
愚かな市場原理主義者よ!
道理ではなく金の力で人を支配する者たちよ!

--投棄はおどる……。

ならず者国家以上の常任理事国……。
まるで、ならず者国家のチャンピオン・リーグ。

ならず者国家の投棄は踊る。
バブルをつくりだし、儲けていく。
そんなものがなかったら、経済は安定成長を続けるだろうに……。

平和でもないのに、平和と思い踊らされるな!

平和は愛するものだ……。

ジョン・レノンはいった。
--ラブ&ピース!」







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研究計画書(RESEARCH PROTOCOLS)1969年7月1日-1970年6月30日

2008年08月28日 | 読書日記など
『研究計画書(RESEARCH PROTOCOLS)
  1969年7月1日-1970年6月30日』
     原爆傷害調査委員会(ABCC)/
       国立予防衛生研究所-原爆傷害調査委員会

国立予防衛生研究所は731部隊の学者たちが戦後勤務したところであり、後にはABCCとこれに関わった国立予防衛生研究所の学者によって、放射線影響研究所(放影研)が開設され、チェルノブイリ事故の後に現地へいき、何の問題もないという学者が所属していたのが、その放影研ですね。ABCC、731部隊の遺伝子を受け継いだといってもいいのではないでしようか?

チェルノブイリから広島へ

本に戻ります。



■目 次■
序  i
番号順索引  ix
研究項目  xvii
項目索引  xx
研究計画書
 緒言  1
 継続研究課題  3
 新研究課題  387
 一時中止した研究課題  437
 未報告の研究課題  469
 中止または官僚した研究課題  531
研究課題一覧表、1970年6月30日現在  549
1958-1970年の研究課題一覧  557


この本は第6号で、1965年から開始されたという。
--それ以前は何の発表もしなっかったという。
--日本の税金さえも使っていたというのに……。

思想-水爆-1954年8月号第362号

分厚い本だが、継続研究課題というのには、そのまま前号と同じものが掲載されているのもある。

疫学的調査の有効性が書かれてある。下「」引用。

「ロンドンにおいてコレラの流行を防いだSnowの研究(コレラ菌発見のずっと以前)、また最近の喫煙に関する研究等は、この手段の有効性を示す礼である。」

チェルノブイリ原発事故の現地へ飛んだ学者たちは、これを破壊したといっていいと思う。


「調教授の1945年長崎調査標本における死亡率の追跡調査」GILBERT W.BEEBE,Ph.D.・著というのも掲載されていました。








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思想-水爆-1954年8月号第362号

2008年08月28日 | 読書日記など
『思想-水爆-1954年8月号第362号』
  豊田利幸、他・著/岩波書店1954年

『原爆の子』を編集した長田新の文章が掲載されていました。



「今日の世界を支えるもの-人格理念に基づく人格行動としての抵抗-」松本正夫(慶応大学教授)・著。
アメリカの文明批判。下「」引用。

「「同じことを二度としないで下さい。わたしたちは何も悪いことはしてなかったんだから。」水爆実験の停止を国連に要請したマーシャル島民の一人が語った素朴な言葉であるが、たとえ自己の「高尚」な生活様式を守るためとは言え、信託統治下の原住民をこの様な目に合わせて文明国の面目は何処にあるのかと言いたいのである。」

とても「高尚」とはボクには思えないのですが……。

傲慢かましているだけにしか見えない……。

「原子兵器と国際法」安井郁・著。
アメリカの違法性を指摘。下「」引用。

「国際法上において、古い原則を変更し、新しい原則をうちたてる場合には、国家の一方的な行為によってこれを行なわず、関係諸国の合意によってこれらを行うのが通常の手続きである。この通常の手続きをふまずして各国が勝手に行動するときは、国際法秩序は破壊され、国際社会は混乱する。原子兵器の実験について、もし公海の広い範囲に永い期間にわたって危険区域を設定することが必要ならば、国際法の根本的原則にしたがって関係諸国の合意のもとにこれを行うべきである。その手続をふまずしてアメリカが一方的に危険区域を設定することは、明らかに不法である。」

さらに、安井郁は書く。下「」引用。

「第二次世界大戦後において注目に値するのは、一九四八年に国際連合総会によって承認された「集団殺害罪の防止および処罰に関する条約」である。これよりさき国際連合総会は一九四六年の決議において集団殺害(genocide)が「国際連合の精神と目的とに反しかつ文明世界によって罪悪と認められた国際法上の犯罪」であることを宣言したが、この条約において締結国は、「歴史上のあらゆる時期に集団殺害が人類にたいし重大な損失を被らせたことを」を認め、「人類をこのいまわしい苦悩から解放するためには国際協力が必要であること」を確信し、「集団殺害が平時に行なわれるか戦時に行なわれるかを問わず、国際法上の犯罪であることを確認し、これを防止し処罰することを約束」した。」

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虐殺以外の目的はない核兵器ですね。
--抑止力というのは、その虐殺の脅しですね。

「原水爆と日本のこどもたち」長田新・著。下「」引用。

「ビキニでわが二十三名の同胞が世界最初の水爆実験の人間モルモットになった三月一日より二十四時間前の二月二十七日の中国新聞は「恐怖の原爆症に呪われた少女、輸血リレーも空しく澄江さん息をひきとる」と題して、いたいけない身にうけた原爆のため脊髄を冒され、再生不良貧血という受難の道を歩んでいた広島市国泰寺中学一年生行広澄江さん(十三歳)の死を報告している。彼女の綴った未完の闘病手記の一節には「私はABCCに行きました。腰のへんの骨に針をたてて血液をとつて調べたりなどされました」などと述べてある。誰がどうして原爆を落としたか知らない少女であったが、或る日ラジオのニュースが米国機の墜落を報じた時、「気味がいい」と述べた、と母親は語っている。」

ほかにも子供たちのことが書かれてある……。

ABCCについても書かれてある。下「」引用。

「武谷三男博士の『広島ルポルタージュ』の「日赤と正面衝突のこと」などは、当時の広島の医者のぶざま極まる実態を鮮やかに描いている。武谷三男博士著『戦争と科学』(九十九頁)では某英国人をして二十世紀の驚異と名づけさせ、広島市民からは「人間モルモット研究所」と名づけられている広島のABCCの正体は何か。」

当時、ABCCは進駐軍と呼ばれていたという。下「」引用。

「(『原爆の子』(七十二頁))ここでしんちゅうぐんというのはいうまでもなくABCCのことであり、現在でも広島の小中学生の多くはABCCのことでをしんちゅう軍と呼んでいるらしい。」

すでに、進駐軍ではなくなっているのに……。
--実態はしかし同様だったということだろう。

国会でも問題になったという。下「」引用。

「参議院で永井文部委員が「原爆症の治療に対する米国側の態度」について質問したところ、中泉東大教授は答えて、アメリカ原子力委員会公衆衛生局長アイゼンバット氏や第三広島ABCC所長に尋ねているが、現在に至るまで何の返事もないといっている。この九年間アメリカが年額四億四千万円を支出し、日本側には千万円を強制的に支出させているABCCが、調査の結果は勿論治療上の経過すら知らせないという事実は一体何と解釈したらいいだろうか。これは我々日本国民に、いや全世界にABCCの正体を明らかにしたものでないかと、心ある者はアメリカのために残念がっている。」

原爆に生きて』三一書房発行、144頁でも、ABCCの実態が書かれてあるという。

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多くの本にABCC批判・非難はかかれてあります。
--それは当然のことだと思います。

このような事実を消しさるための番組や芸術などがあれば、大きな問題があるとボクは思う。







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