時間は横軸

時々刻々と変化してるのですわ...

大人のための環境見学会、行ってきました。

2010年11月28日 23時15分30秒 | お出かけ



『大人のための環境見学会』、昨日(27日)に行ってきました。
りんかい線 東京テレボート駅に朝9時半集合、そこから専用バスで東京都環境局中防合同庁舎へ向かいます。
バスの中はすでに見学者のおじ様たちがいっぱい。年齢層やや高し。
約10分で目的地に到着です。
庁舎内では、見学者説明室なる専用の部屋へ通され、そこで20分程度のビデオ鑑賞。
東京都のごみの処分に関する内容です。
東京都は、東京湾の一部にゴミを埋立てる、という処分方法を行っているわけですが、多摩川河口から荒川河口の範囲内に限定し、且つ船舶が行き来でき接岸できる部分を除いた部分で埋立て処分を行っているそうです。
その埋立て処分を行える領域は、すでに限られていて、あと50年もすればいっぱいになってしまうとか…。
環境局では、その埋立てる量を減らすべくゴミ減量化の施策・技術についてアレコレ研究してる、と。
高度経済成長期のころ(昭和40年代)は、ただ捨てるのみ、埋めるのみであったらしく、ビデオには江東区あたりの住民(道を歩く主婦らしい人)の背中にびっしりとハエが…、など、ちょっと衝撃的な過去の映像も…。
現在は、可燃ごみは焼却処分を行い、ほぼ無害化した状態でリサイクル材料にもなる状態に、且つ焼却時に発生する熱は電気に変えて有効利用を行っており、不燃ごみや粗大ごみは細かく粉砕を行い、それを埋立処分場に送る、としているそうです。

ビデオ鑑賞のあとは10階の展望室から周辺施設などの説明・見学です。
周りにある建物は、全てゴミを処理する施設。
産業廃棄物の処理を行う建物の入り口には「医廃」という医療廃棄物のための入り口通路があったり、ゴミの処理を細かく分けて、安全に処分することもわかります。

さて、周囲の見学後は、バスに再び乗り、目的の埋立処分場に向かいます。

がその前に、不燃ごみの仕分け場等の見学。
粗大ごみ破砕処理施設、不燃ごみ処理センターなどなど…。
ただし、バスからは降りずに車窓見学です。



集められたゴミから金属などを分けたり、畳を裁断し小さくする機械、ベッドマットレスからスプリングを取り出し表面の布と分ける機械…、窓の外ではゴミの仕分けが行われてます。
取り出した金属は、鉄やアルミなどに分けられ、また、電線(ケーブル)も別に分けられ、それらは専門の業者が買い取ってくれるそう。

なぜ車窓見学なのかというと、解説してくれた職員の方から説明がありましたが、外の臭いが、ということもありますが、処理現場の近くに寄ることで危険が及ぶ可能性があるとのことで、職員の方も「破傷風」の予防接種を年に数回受けているとのこと。その中に一般人である見学者をバスから出して怪我でもしようものなら…とのこと。もちろんバスの窓も開けられません。

以上の見学は「中央防波堤内側埋立地」。昭和62年3月に埋立が終了しているところ。

さて、次に向かうのは「中央防波堤外側埋立処分場」の見学です。
橋を渡って向かうのですが、その橋から先は関係者のみ入れる部分。ネットフェンスで囲まれた"島"に入ります。
見学地に向かうまでの途中は、単に雑草の生える未開発地という感じ。
荒野、って感じですね。
ちなみに橋を渡ってすぐの現在造成中の新しい道路の先には、東京ゲートブリッジが見えました。

見学地へ向かう道の両脇には、地中から飛び出たパイプ。埋立てたゴミから発生するメタンガスを抜くために地面に打ち込んだもの。
さらに途中途中にある茶色い水が吐出するパイプとそれを貯留する池(集水池)。この水は、温度が30度以上でペーハーが3~4という酸性度の高い液体とか…。
埋立てたゴミを通過する雨水など汚れた浸出水。
さらにそれを処理し調整池に溜めてあるのですが、しかしそこも酸性度が高い水。なのに水鳥が…。魚は住んでいないと思われるとのことですが、なぜ?

空にはトンビ、カラス、カモメが飛んでいますが、ハエはほとんどいませんでした。
不燃ごみには餌になるものがほとんどないとのことです。
見学地である中央防波堤外側埋立処分場の一角は、見学のための広場があり、そこではバスから降りて見学ができます。



見学地は、これから南東に伸びる埋立処分場を見渡せます。
柵の向こうは「新海面処分場」。
…しかし、臭いです。この日は北風だったのでまだ耐えられたのかと思いますが、臭いです。
臭いの元は埋立てられたゴミだけではなく、し尿まじりの汚泥を処理した土の山が近くにあって、それらのすえたにおいというのか公衆トイレの臭いに近いかな…。

見学地の隅には碑がありました。



『限りある 埋立空間 大切に』(平成十二年三月 東京都清掃局)

東京ゲートブリッジも見えます。



10分くらいの見学、解説を聞き、バスに再び乗り込みます。

次に向かうのは「東京風ぐるま」。東京臨海風力発電所です。



バスから下車しての見学。
タワーの高さ44m、回転軸からの羽根の長さ26m、合計70mの高さです。
1基で850kWの発電能力。
風通しの良いところですからね、発電して売電する、と。

以上で見学会は終了です。駅に戻って解散。

朝9時半からお昼過ぎまでの見学でしたが、ゴミのこと、あらためて考えました。
埋立てられる場所が、もう限界になる、ということ。東京都は海(東京湾の一部)があるからこそ埋立処理が行えますが、他県は埋立てる場所も無いところもあるわけで(どのような処理を行っているかわかりませんが)、地面が増えると喜べるものではなく、ゴミを出すべきではないのかも?なんてことは無理ですが、考えてゴミを出すべき(極力ゴミは出さないような生活)なんだろな、と。

最後に庁舎内に飾られていた彫像を。



「中防の女神」
作者 本田晶彦氏
『この作品は、木彫りの等身大の彫刻であり、本格的な芸術作品である。作者は、千葉県美術協会の役員を歴任し、「日展」審査の委嘱委員、「日本彫塑協会」運営委員として活躍した彫刻家である。この作品が中防庁舎の展望室に展示されるに至った経緯は、次のとおり。』
『この作品は、平成5年のある日、中防埋立処分場にて家屋の解体の木材とともに持込まれた廃棄物の中から発見された。そのまま埋立てるには忍びなく、一時事務室に保管されていたものを、平成8年7月の新庁舎の完成時に、展望室に陳列されることとなった。』

こんなものまで捨てられちゃうんじゃ、ゴミってなんなんでしょ?



さて、この見学会、11月の始めに、どこかのHPか何かで見つけた「中央防波堤埋立処分場 見学ツアー」の応募。往復ハガキでの応募でした。
この見学ツアー、27日(土)に催されるのに、1週間前になっても何の通知も無く、抽選に外れたのか、いや、もしかして往復ハガキ自体出しそびれてしまったのか?
6日前、5日前…と日程が近づいてきていたところの3日前!(24日!)、『朝9時半に集合です、云々…』と返信ハガキが来て…。
職員の方がどうして返信が遅れたのか説明されていましたが、応募者数が予想以上に多く、当初予定していた小型のマイクロバスから、大型バスに切り替え手配をしたためだそうです。実は人気のツアーだったんですね。でも返信通知が遅かったせいか当日キャンセルもかなり出たようで…。
ま、とにかく行ってきました。見てみたかったのです。中央防波堤埋立処分場。

コメント
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