うまれて3週間の甥っ子のトシ坊は、【凄まじき夜泣き】らしい。
朝、6時くらいまで泣いてることもあるのだとか。
最近は、私が、風呂に入れる担当になっていて、早めに仕事から帰って来るようにしています。
今日は、研修会が9時くらいまであったので、妹のモコが風呂に入れたようです。
研修を終えて、家に帰ってきて、ひたすら領収書に名前を書きながら、
「こんな、子どもたちに何の関係もない仕事をすることに、何の充実感があるもんか。」
って、心の中でぶすくれていると。。。
外から、かすかに泣き声が聞こえる。。。
「泣きよる!!」
って、言って、家から飛び出すと、オフクロがトシ坊を抱っこして、我が家の前に立っていた。
オフクロに抱かれたトシ坊は、ギャーギャー泣いている。
私が受けとると、トシ坊は、スっと泣き止んだ。
「今日は、モコが風呂に入れてる間も、ずっと泣きっぱなしやったとよ。」
という。
「ちょっと預かっとくけん。」
って、言って預かる。
でも、俺は、領収書に名前を書かないといけない。
家族がおもしろがって、トシ坊を抱っこして交代している。
しばらくして、トシ坊が泣き出した。
「ほら、今、おじさんが、大急ぎで領収書書いてるからね〜。ちょっと待っててね〜。」
って。カミサンが無責任なことを言う。
抱っこしてるコータが、トシ坊に話しかけている。
「がんばれ、がんばれ。」
高校2年生にしては、がんばっている方だと思う。
やっと、よく意味のわからない領収書(商売人の領収書と違い、私の書いてる領収書には、あまり意味がない。)を書き終えて、トシ坊を抱っこする。
火がついているように泣いている。
「よしよし、ゆっくり泣きなさい。泣いていいとよ。そう、ゆっくり泣いていいけんね。」
って、話しかけながら、お尻を、トンッ・・・・・トンッ・・・・って、優しく指先で、たたく。部屋の中をゆっくり歩く。
足の裏が冷たくならないように、直接腕に当てて、温める。
しばらく、足を突っ張るようにして、泣いていたトシ坊の体が、私の腕の中で、ストって、収まったように感じた次の瞬間。
スっと泣き止んで、私の腕に沈んでいくように眠りだした。
ZZZZzzzzzzzz.
おもしろがって、コータが、覗き込みに来る。
「ええい!、うるさい!ちょっとだけ、静かにしとけ!」
って、小さい声で言って、さらに部屋をゆっくり歩きながら、トシ坊のかわいい寝顔を満喫する。
そして、妹に、メールを打つ。
「寝たぜ。落ち着いたら、連れて行く。」
しばらくして、40m離れた実家に、トシ坊を連れていくと、ちょっと育児に疲れているのか、妹は、ソファーに寝ていた。
「兄ちゃんが、トシ坊を連れてきたよ。」
って、オフクロが、妹を起こす。
「兄ちゃん、ありがとう。」
って、言いながら、妹が起きてくる。
ベビーベッドに静かに寝かせ、体を預けるように、密着させながら、寝せる。体の温かみが急に離れないように、ゆっくりと体を離す。
振り返ると、妹が、
「兄ちゃん、ありがとう。」
って、言う。
つまんない領収書を書いている仕事を書いている百万倍の充実感を感じながら、私は、家に帰る。
トシ坊、今日は、ちゃんと、寝るんぜ。
おやすみ、トシ坊。
また、明日、会いにいくけんな。