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「転がる石は苔生さず」いつまでも、いつまでも転がり続け・・・
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イタリア紀行[34]  シチリア⑩ アグリジェント 「神殿の谷」3

2013年08月31日 16時20分37秒 | イタリア紀行2013

皆さんが座ってガイドさんの説明を聞いています。
この遺跡、まるでピラミッドの出来損ないみたいなカタチをしています。多分、これはローマ時代の
遺跡で、戦って死んだ兵士を祀るために構築されたもの。ローマはクレオパトラ時代にエジプトへも
侵攻していますので、そこからこの墓陵のヒントを得たのかも知れませんね。 

恐らく住居跡であろうと思いますが、基礎の周りには二筋のトレンチが。深さが違います。
想像するに深いのが下水で浅いのが上水かなぁ。これはギリシャ時代じゃないかしら。
ローマ時代になると、もっと現代に似たカタチで表れて来ます。ポンペイの遺跡なぞは
下水も上水もちゃんと蓋がしてあって。紀元前と紀元後ではかくも土木・建築技術が発達
したのかと目を見張らせられます。この分け方はキリスト教の観点からのものですが、
この時代の前後では、キリスト教という統一宗教の確立だけでなく、こうした技術史的にも
大きな差異があるように思えます。

この一帯の考古学エリアは「神殿の谷」と呼ばれていて、ボクにはとっても奇異感があるのですが。
文明史のどこを紐解いても、谷で文化が発達したなんて聞いていないので。せいぜい、宮崎駿さん
の「ナウシカの谷」くらいのものじゃないかと(笑)

実際歩いてみると完全になだらかな丘に全て位置しています。いわば「馬の背」に広がる都市
だったんですね。

こちらは完全に崩れ去った遺跡。神殿跡にしては随分と礎石の間隔が狭いです。住居跡
でしょうか。それにしては礎石の数が多すぎるような。何かの公共建築物であったのかも。

柱頭が見えています。こちらはこの遺跡群で一番古い神殿。ヘラクレス神殿
この神殿の谷の神殿の中で一番古いものです。

夾竹桃の花と一緒に。

この神殿は過去の地震で崩壊したそうです。

当たり前ですが、8本残る柱頭を真横から撮影したら、一本に見えます。かなり正確に
施工されていますね。高さは人物と比較して下さい。結構でかい神殿であったと容易
に想像出来ます。

柱の前面に置かれた巨大な石・カタチから想像すると祭壇の一種でありましょう。
上部が平でありますので、もしかして生贄を捧げたものかも知れません。血痕の
痕跡を探してみましたが、当然の事ながら発見できませんでした(苦笑)

こうして見上げていると、この柱頭の上にどんな梁が、そしてどんな屋根が載っていたのか、
などなど、いつまでも興味が尽きません。遺跡見物の楽しみはこの想像にあります。

再び現在のアグリジェントの町並みです。

 

ー続くー

 

 



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おばんです! (getteng)
2013-08-31 22:07:35
belageさん
ビ-ナス城には登られましたか?
今夜のTV番組で「北川景子×地中海」でシチリア島を取り上げていました。
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お早うございます (meibi)
2013-09-01 08:09:38
古くから上下水が、整備されていたようで、すごいですね。
柱も大きいので、神殿は大きかったでしょうね。
クレーンも無いのに、どうやってとか思ってしまいます。
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遺跡 (kurakame)
2013-09-01 08:52:03
まったく無知に等しかったシチリアの遺跡。
この風化の仕方が、なんともいい感じですね。
bellageさんのカメラアイが余計にプラスに働いているのでしょうけ。
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gettengさん (belage)
2013-09-01 23:32:58
ああ、番組があることは知っていましたが、見て
おりません。そのビーナス城というのは残念ながら
知りませんでした。
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風光明媚さん (belage)
2013-09-01 23:34:48
エジプトや中米のピラミッドもそうですけど、
当時は全て人力。大量の人間や牛馬を
総動員して作ったそうです。
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kurakameさん (belage)
2013-09-01 23:36:17
ボクもいくまでこういう遺跡が残っているとは
知りませんでした。この地中海というのはまさに
文化の交差点で色々面白いですね。
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