雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

研修

2010-08-01 | 雑記
 先日、入社の決まった運送会社の研修に行ってきた。
「研修」といっても、そうたいそうなものではなく、業務内容や一日の仕事の流れなどを大まかに説明するといった具合のものである。
 そこには、私のほかにもう一人(所謂「同期」が)いた。名は「M」といった。
 年齢はまだ訊いてはいないが、おそらくは二十代半ばと思われる。まあ、私よりも若いのは確かである。
 このMくんが、なんだかとてもかしこまっていておもしろい。
 説明を受けている間中、私はといえば「はぁ……」だの「えぇ……」だのと些か頼りない相槌を打つのに対して、Mくんはしきりに「はーい、はーい」「かしこまりましたぁ」「はーい、はーい、えぇ、そうですねぇ。はーい、かしこまりましたぁ」とキビキビ(というか、粛々というのか)合いの手を入れている。
 ここまでくるともう、鬱陶しさを通り越して笑えてきた。きっととても真面目な青年なのであろうと思える。何せ、私のカジュアルな服装とは違って、彼はスーツを着込んでおられる……。
 まあとにかく、終始かしこまっている青年であった。私が話しかけてもかしこまっている。きっと私と違って素直で真面目に業務をこなしていくことであろう。私もうかうかしてはいられないぞ、などと珍しく意気込んだりもする。

 やがて大方の説明も終わり、初出勤の日にちを言い渡された。
「それじゃあ8月2日の、お昼12時からということでよろしいですか?」
 もちろん、異論などあろうはずもない。ましてやペーペーの私どもに出勤日をどーのこーのとケチをつける資格なんぞない。私はここぞとばかりに、
「はい、よろしくお願いします!」
 と、ヤル気をアピールした。直後、おずおずとMくんが
「あの~~、すみませぇん……僕ぅ、6日までアルバイト入ってましてぇ……2日は、ちょっとぉ……」


 辞めろや! (バイトを)


 あやうく大声でツッコミそうになったのを「ぐっ」とこらえた。
 
 そりゃあ、バイトであろうとなんだろうと仕事は仕事ではあるし、なんらかの責任もそこには発生することであろう、が、しかしだ。これから正規の社員としてお世話になるところの第一歩目ではないか。どちらに重きを置くかは……まあ、それも人それぞれではあるのだがね。
 私が言うのもおこがましい気もしないでもないが……Mくん、仕事ナメてんのか?

 
コメント (4)
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