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「りんぷうの会」 公式ブログ

会長:神田佳明(能楽写真家)
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【日程変更のお知らせ】平成30年11月4日(日) 14:00〜16:30 山口鷺流狂言保存会 特別公演のご案内

2018年08月29日 | 能楽公演・能楽関連イベントのご案内
台風のため9/30(日)に予定されていた山口鷺流狂言保存会の特別公演が
11/4(日)の14:00〜16:30に延期となりました。
今年は明治維新150年の節目の年ということで
山口・佐渡・高志の鷺流狂言3団体が一堂に会する貴重な特別公演です。
詳細は下記をご覧下さい。




山口鷺流狂言の舞台を長年、撮影されている寺田良子さんから
11/4(日)に野田神社能楽堂で行われる特別公演のお知らせが届きましたので
ご案内致します。

以下、寺田さんからのコメントです。


「明治維新150年の節目に鷺流狂言関係の3団体が集い、公演します。
鷺流狂言は維新後、流派を存続出来ず、
地方でのみの伝承となりましたが、
各地域で残ってきた芸を次代に残していくために
多くの方々にご来場いただきたいと思います。

維新関連の資料を展示していく十朋亭維新館が9月29日に開館します。
歴史的な資料をこちらでご覧になり、
維新を乗り越え、地域で伝承されてきた鷺流狂言を
山口市有形文化財に指定されている野田神社能楽堂でお楽しみ下さい。」(寺田良子)



◆明治維新150年・十朋亭維新館開館記念 山口鷺流狂言保存会 特別公演

日時:2018年11月4日(日) 14:00〜16:30
会場:野田神社能楽堂(山口市天花1丁目1-2)
出演:山口鷺流狂言保存会 佐渡鷺流狂言研究会 高志狂言保存会(佐賀県神埼市)
狂言「蚊相撲」(山口)
狂言「部須」(高志) 
狂言「寝代わり」(山口)
狂言「佐渡狐」(佐渡)
狂言「清水」(山口)

入場無料・申し込み不要 先着500人
https://www.facebook.com/sagiryukyougen




冒頭写真は寺田さん撮影の舞台写真で、鷺流狂言130周年記念公演(平成28年/2016年)より
狂言『文荷』(ふみにない)
主:伊藤泰治 太郎冠者:山崎純治 次郎冠者:升井洋至

鷺流狂言のお舞台のほんの一部ではありますが
以下、寺田さんのコメントを交えて、ご紹介致します。




「主人から恋文を届けるように命じられた太郎冠者と次郎冠者。
果たして首尾よく主人のお遣いができるのでしょうか。

二人の気まぐれな ハラハラさせる行動がもたらす結末は
はて大いに気になるところです。

言葉あそびの楽しさ・面白さ、そして謡いや小歌をはさむ
彩りも豊かで洗練された内容のシャレた発想が楽しい狂言。」





狂言『因幡堂』(いなばどう)
男:森脇亮 女:福島久嘉

「大酒飲みで離縁したはずの元の妻が因幡堂の本尊のお告げを装い
小袖を被り、しおらしく新妻を装う。
だまされたとも知らない男(元主人)は喜んで女を家に連れ帰り
盃事をしようとするが…。

中々、放さない盃をしっかりかかえた女の小袖を脱がせてみれば
怒りの形相すさまじい元の妻の姿あり。

益々 案じられるこの行先 どうなりますことやら…。」





狂言『引括』(ひっくくり)
主:岡村 薫 女:池田 幸枝

「親里にいる妻のところへ去り状を届けさせた主人。
怒った妻は、すぐさまそれを手に夫の元へと押しかける。
『暇のしるし』として『別れてくれるなら何でも好きなものを
取ってゆけ』という主人に妻は…。

結末の思わぬ展開。

袋をすっぽりかぶせられ気丈な妻に引っ張られる夫。
二人の後ろ姿に観客の笑い声が広がり
会場は何かほのぼのとした雰囲気に包まれた御舞台でした。」




ワンポイント解説
【鷺流狂言について】
現代では狂言の流儀として二流儀、大蔵流と和泉流が広く知られておりますが
江戸時代には、もう一つ、鷺流という狂言の流儀が存在し
大蔵流とともに幕府直属の流儀として非常に隆盛だったそうです。

残念ながら明治維新をきっかけに幕府や大名たちといった有力な後ろ盾を失い
急速に衰退しプロの流儀としては存続し得なくなってしまったのですが、
山口県と新潟県の佐渡、佐賀県の高志(たかし)で
奇跡的に伝承され、地域の大切な伝統芸能として今も継承されております。

今回は、山口・佐渡・高志の鷺流狂言3団体が一堂に会する
貴重な特別公演となります。

皆様のご来場をお待ちしております。






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