さて
昨日(9/16)の森田さん撮影の
夏色写真4カットに続きまして
本日は能楽舞台写真より秋色作品をお送りします
2013年6月の能楽舞台撮影会から
能『小鍛冶』
シテ(=主役のこと)は喜多流能楽師の出雲康雅先生
祭壇の上で剣を鍛え上げるシーンで『小鍛冶』の一番の見せ場になります
『小鍛冶』の季節設定は一説には冬で旧暦の11月頃のようですが
一畳台(いちじょうだい)の赤い地色を受けて
面(おもて)と白い装束に、ほんのり赤みがさして紅葉の朱を思わせるようなカットなので
秋色写真としてアップさせていただきました
こちらも2013年6月の能楽舞台撮影会の時のカット
能『野宮』より
シテの六条御息所を演じるのは同じく出雲先生です
時は秋 京の嵯峨野の野宮で旅僧の前に六条御息所の亡霊が現れ
光源氏との苦しい過去の恋の思い出を語り救済を求めて舞う、
というのが能『野宮』のあらすじですが
この舞台写真では、煩悩や妄執を突き抜けて
はかなく寂し気な風情で、その表情には可憐さすら感じられるようです
原作の『源氏物語』では、斎宮に選ばれた愛娘に同行して
伊勢下向を決めた六条御息所は30歳くらいの年齢設定のようで
当時としては失礼ながら結構、年配女性になるのではないかと思いますが。。。
個人的には
「こんな素晴らしい女性を袖にするなんて光源氏は阿呆じゃなかろうか」と
思ってしまうほど若々しく美しい六条御息所の舞姿で
もしかして、出雲先生が表現されたかったのは
光源氏との恋の絶頂期で一番きれいだった頃、若き日の六条御息所の姿だったのかもしれません
「どうせ亡霊として出て来るなら、やはり自分の一番いい頃の姿で出現したいのでは??」
などと言ってしまうと身も蓋もないけれど(←申し訳ありません
)
この時の能面が「増女」でも「孫次郎」でもなく「小面」だったので
非常に良かったと思います
《ごく簡単で大雑把な解説》
女性を表す能面=女面の中でも「小面(こおもて)」がもっとも年若い女性の面で
年齢としては10代の女性の顔と言われています
「増女(ぞうおんな)」も「孫次郎(まごじろう)」も「小面」より
やや年長で、「増女」は女神や高貴な女性の役柄で使用されることが多く
ちょっと人間離れした冷たい感じの美女の面で
「孫次郎」は逆に少し世俗的な親しみのある美人の面です
興味のある方は淡交社刊『面からたどる能楽百一番』をご参照ください
森田さん撮影の『野宮』の舞台写真は実は以前にも別カットを当ブログで
掲載しております
また違った趣で、同じお舞台なのに、不思議と落ち着いて、しっとりした大人の美人に見えます
↓そちらもよろしければ是非ご覧下さい(記事本文の内容が季節外れなのはご容赦いただければと思います
)
http://blog.goo.ne.jp/rinpoonokai/e/d043bd8fdc92c348450013a972d0b931
また、出雲先生の公演情報ですが
9/24(日)の喜多流自主公演で
能『阿漕(あこぎ)』のシテを舞われます
この機会に是非、実際の生の出雲先生のお舞台をご覧下さい
◆喜多流9月自主公演
2017年9月24日(日)11時開場 12時開演 十四世喜多六平太記念能楽堂
能 『経政』 谷大作 宝生欣哉 内潟慶三 飯冨孔明 佃良太郎
狂言 『腰祈』 野村萬斎
能 『半蔀』 友枝真也 御厨誠吾 小野寺竜一 住駒充彦 柿原光博
能 『阿漕』 出雲康雅 大日方寛 藤田朝太郎 鵜澤洋太郎 國川純 小寺佐七
全席指定
S席 9,000円 A席 8,000円 B席 7,000円
C席(1階桟敷席)6,500円 D席(2階席)6,500円 学生席(2階席)2,500円
十四世喜多六平太記念能楽堂
http://www.kita-noh.com/
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