疾風怒濤の80年代

日本中が熱い風に包まれていた1980年代
そのころの音楽・映画・テレビなどを語る30代のための
広場です!

ベルリン・天使の歌

2004年10月17日 08時09分13秒 | 映画・ドラマ
1987年に製作されたヴィム・ヴェンダースの「ベルリン・天使の歌」は
いわゆるアートフィルムの単館上映のハシリとなった映画でしたね。

この映画は天使が地上にいるサーカスのブランコのりの女性に恋をして
地上に降りてくるというロマンティックなプロットの映画なのですが、
その前の、天使が東西統一直前の荒廃した西ベルリンの町をさ迷い歩く
モノクロ部分がとても、見る人の心を揺さぶりますね。
とくに地下鉄に入っていくと、だれもが別々の心で、別々の言語で独り言を
ぶつぶつと言っているシーンは見事ですね。
また、ライブハウスで日本人の女の子がパンクの格好でいるのもぐっと来ます。

で、そういう荒廃した都会の片隅で、むかし天使だったというピーターフォークと会って、
人のぬくもりを感じたくなるわけですよ。そのシーンがぐっと来ますね。

さらに、上から見下ろすとそういう無味乾燥な都会に見えたベルリンで、生きていこうと
人間になることを決意したオットー・ザンダーが、地上に降りた瞬間、カラーになると
その壁やら町は実は極彩色に彩れられていて、人が確かに生活しているぬくもりがあるんです。
それを一瞬で分からせる演出でしたね。あのパートカラーは・・・。

この映画は確か1988年ごろに、東京ではできたばかりのシャンテ・シネで公開されて
異例のロングランを重ね、キネ旬でも大々的に特集したのですが、私がいた大阪では
扇町スクエアーという小さな小屋で1週間しかやりませんでした。
見に行きましたが、となりでサラリーマンがグーグー寝ていたのが印象的でした。

1987年 ドイツ
「ベルリン・天使の歌」
主演 オットー・ザンダー  ピーター・フォーク
監督 ヴィム・ヴェンダース
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« いやはや、お久しぶりです | トップ | アイドル全盛期 1982年 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画・ドラマ」カテゴリの最新記事