ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

野獣死すべし(1)

2009年06月23日 23時32分34秒 | フィクション
恥の多い生涯を送ってきました。
いや、最近では……
「そもそもこの俺には羞恥心なんてものは無かったんじゃないか?」
とさえ、思うようになりました。

まあ、人間失格などと言う言葉がありますが。
失格を自覚できる内はまだまだ……

「ちゃんちゃら可笑しい文学青年の深刻気取り」
と申せましょう。

本当の「堕落」とは、
「人としての格」を失う度に、それに慣れていき、
ついには”開き直った喜び”をそこに見出してしまう事です。

さて。「ある女」の話です。

彼女の名前は仮にYさんとしておきましょう。

Yさんは某美術大学を卒業した後、新卒で我が社に入社しました。
一応、若いネーチャンです。

しかし……



言うなればこんな感じ。その堂々たる体躯は、
南海キャンディーズの「しずちゃん」状態です。
とても美大出の女の子とは思えません。
(まあ、外見は関係無いんだけど)

正直、かなりビビリました。
「始めまして。Yです」
「あ、RESANDOです」

けど、相手は10歳以上、年下。
ここでナメられたら、いけません。

おそらくは将来、自分の部下になるであろう彼女に、私は
(オマエなど眼中に無い! 俺は今、忙しいんだ!)
と言わんがばかりにマック(パソコン)に向かったまま挨拶したものです。

「パソコンでデザインしているんですか?」
「そうだよ。アドビのイラストレーターは使った事ある?」
「……無いです」
「そうか。いずれ覚えてもらわなきゃな」
「は、はい」
彼女は「尊敬の眼差し」をもって仕事に打ち込む
私の後姿を見つめていました。(多分)

こんな事で、私は”勝った”つもりでいたのです。

でも、今考えるとYさんの方は……
「珍しい生き物」にでも遭遇したかのように、
思っていたに違いありません。

<続く……よな気がする>