生きる気力を与えてくれる必需品
人間の身体には0.7%ほどの塩分が含まれています。
塩分は血液に混じって全身をめぐり、新陳代謝を促し、さらに胃液の塩酸となって消化作用を助け、神経や筋肉の動きを整える作用があります。
成人には体内の塩分保有量をほぼ一定に保っておくために、1日当たり10~15gの食塩を摂取すればよいとされています。
通常の食生活ならこのくらいの塩分は特別に意識しなくても摂取しているものですが、災害で、水しか飲めないような状態に陥った場合はどうすればいいのでしょうか。
塩分の量が長期間不足すると、消化液の分泌減少、食欲の減衰、全身の倦怠、疲労、精神不安を引き起こします。こうした症状は体力を低下させるだけではなく、人間が生き延びようとする気力さえも奪ってしまうものなのです。
都市に住んでいるのからといって、被災してもすぐに助けがくる保証はどこにもありません。したがって防災袋の中に入れておきたい必需品として「塩」は絶対に落とせません。
たとえば食料が尽きて水さえあれば、ある程度生きていくことはできます。
その時、水ビール1本分(633ml)に小さじ1杯(約3グラム)の塩を入れると理想的な飲み水になるのです。
塩分は喉が渇くのでは? と心配される人もいるでしょうが、3グラム程度なら問題ありません。それよりも塩分不足することのほうが怖いのです。
塩のほかにも前述の「ハチミツ」や「プロポリス」といった滋養食品があれば便利です。
特にプロポリスは栄養をつけるだけでなく、傷の消毒やうがい薬としても使えますし、口内炎などにも直接塗布するだけで効果があります。
ハチミツも、含まれている糖分が貴重なカロリー源なので、少しずつ舐めながら大切に使いましょう。
少量の塩分や糖分は食欲を増進させます。小さな子供やけが人がいる場合はこれらを与えながら、体力を維持するようにサポートしてあげることも大切です。
ハチミツの代用品として砂糖を使ったキャンディーなども考えられますが、同じ体積ならハチミツのほうが長持ちするかもしれません。
もちろん食料の備蓄に余裕があるならば、「塩」や「ハチミツ」は調味料にもなります。
また、塩は古来から歯磨きとしても使われていました。
指に塩をつければ立派な歯磨きに粉になります。
(出典 マグニチュード手帳 [最新改訂版]~地震・災害マニュアル~ より)
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