歩いたり 走ったり 旅したり

40代女性です。
身体と心の健康を目指しています。
走ることを通して、みなさんにHappyを広げていきたいな。

一歩一歩を楽しんで

2015-03-14 08:11:06 | 日記
私は本を読むことがすきですが、最近はエッセイや実用書を読むことが多かったです。

マラソンの1~2週間前からふと読み始めたのは娘が定期購入しているブッククラブで届いたこの本です。



どうして突然読みたいと思ったのかは分かりません。

でも今の自分にすごく大切なことが書かれていました。

1人1人に時間の花がある。

時間を節約し、先を急ぐばかりでは見えなくなってしまうものがある。

速く走りたいと思って一瞬一瞬を大切にしてがんばるのと、早く終わらないかなと思って走るのに集中できないことは全く違います。

フルマラソンを走ると同じ4時間5時間という時間でもいつもとは全く違った重みを感じます。

ああ、時間って数字は同じでもその意味はどんな状況で何をしているかによって全然違うんだということを実感します。

私は走り始めたことで何かをしなくてはといつも急いでいた時間が、それまでとは違った過ぎ方をしていくようになりました。

大会の前は緊張でそんなことを振り返る余裕もないのですが、ゆっくりとこの本を読むことで気持ちが落ち着き、本当の意味で時間を大切にしよう、今年のウィメンズマラソンを楽しもうと思いました。

物語の中で主人公モモの友達道路掃除夫ベッポが言います。

「とっても長い道路をうけもつことがよくあるんだ。おっそろしく長くて、これじゃやりきれない、こう思ってしまう。」

「そこでせかせかと働き出す。どんどんスピードをあげていく。ときどき目をあげて見るんだが、いつ見てものこりの道路はちっともへっていない。だからもっとすごいいきおいで働きまくる。心配でたまらないんだ。そしてしまいには息が切れて、動けなくなってしまう。こういうやりかたは、いかんのだ。」

「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん。わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ。つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。」

「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」

「ひょっと気付いたときには、一歩一歩すすんできた道路がぜんぶ終わっとる。どうやってやりとげたかは、じぶんでもわからん。」

つぎの一歩、つぎのひと呼吸のことだけを考えて楽しむということが私の胸にずんと響いて、ペース配分を書いた単語帳に書き抜き、走っている最中も何度も思い出しました。

おかげで42kmに集中できて、楽しめました。


私は多趣味で数年前までは読書以外にも色々なことを楽しんでいました。

色々なことをやりすぎて気持ちが散漫になってくるのを感じたので、最近は走ることや体を動かすことに集中していました。

でも今回のマラソンを終えて、「モモ」を読んで走りが楽しめたように、色々な趣味を楽しむことで自分自身に潤いが増し、いい流れができてくるような気がしてきました。

ちょっと心に余裕ができました。

なのでまずは久しぶりにかぎ針編みを始めてみました。

以前は大作、小物次々と作品を作っていましたが、今は急がず一目一目ゆっくりと味わいながらです。




エッセイや実用書では大切なことがすぐに分かるように直接的に書かれています。

物語ではその世界を主人公と共にゆっくりと旅をします。

旅を通して分かるのはほんの少しのことです。

でもそれは実感を伴って、心にしっかりと刻み込まれます。

42km走るための準備はすごく時間がかかるけれど、得られるのはたくさんのことではありません。

でもそこで得られたことは走った人の心にしっかりと残り、その人を支え続けるような気がします。