今の雲南市吉田町に残る菅谷たたら山内は松江藩の鉄師、田部家の一大拠点で江戸時代中期から大正時代まで操業していた高殿と呼ばれるたたら場を見ることができた。
山内とはたたら製鉄の仕事場を中心にその仕事に携わる人達とその家族が生活する集落だ。ここは山に囲まれた谷あいの2本の川が合流する地点にあった。映画「もののけ姫」のたたら場のモデルになった場所だそうだ。
これが仕事場の中心、高殿の外観で数年前に保存修理工事が行われている。
高殿の中央には炉が一基置かれているがもちろんこれは再現されたもので、4日間かけて砂鉄と木炭を燃焼させて炉底にできた鉧塊を取り出す度に炉は破壊される。
この炉の地下には保温と防湿を目的に3メートルの深さまで堀って作られた大きな地下構造物があるはずだがそれを見ることはできない。
炉の底部には空気を送り込む十数本の木呂管が見えるが高殿の中には天秤鞴のような物は見えない。
ではどうして空気を送り込んでいたのかと言うと高殿から20メートルほど離れた場所に水車小屋があり、そこに水車で稼働する鞴が置かれていた。びっくりしたが水車小屋から高殿までは地中に埋設された土管を通して送風されていたのだ。
ここにいると昔の人達が汗を流しながら知恵を絞って工夫を凝らして少しでも効率を上げようとしていた姿が想像される。たぶん失敗も何度となくしたのだろう。
しかしながら帰宅して調べてみると同時期のヨーロッパでは産業革命が始まり、製鉄炉への送風を蒸気機関で行っていたらしい。鎖国下の日本では鉄師達にとってそんなことは知る由もなかった訳だ。
駐車場に戻る際、小高い場所に登って山内を眺めると高殿の横に桂の大樹がある。早春、朱鷺色の新芽がとても綺麗だそうで、できればそんな時期にもう一度ゆっくり来てみたい。
山内とはたたら製鉄の仕事場を中心にその仕事に携わる人達とその家族が生活する集落だ。ここは山に囲まれた谷あいの2本の川が合流する地点にあった。映画「もののけ姫」のたたら場のモデルになった場所だそうだ。
これが仕事場の中心、高殿の外観で数年前に保存修理工事が行われている。
高殿の中央には炉が一基置かれているがもちろんこれは再現されたもので、4日間かけて砂鉄と木炭を燃焼させて炉底にできた鉧塊を取り出す度に炉は破壊される。
この炉の地下には保温と防湿を目的に3メートルの深さまで堀って作られた大きな地下構造物があるはずだがそれを見ることはできない。
炉の底部には空気を送り込む十数本の木呂管が見えるが高殿の中には天秤鞴のような物は見えない。
ではどうして空気を送り込んでいたのかと言うと高殿から20メートルほど離れた場所に水車小屋があり、そこに水車で稼働する鞴が置かれていた。びっくりしたが水車小屋から高殿までは地中に埋設された土管を通して送風されていたのだ。
ここにいると昔の人達が汗を流しながら知恵を絞って工夫を凝らして少しでも効率を上げようとしていた姿が想像される。たぶん失敗も何度となくしたのだろう。
しかしながら帰宅して調べてみると同時期のヨーロッパでは産業革命が始まり、製鉄炉への送風を蒸気機関で行っていたらしい。鎖国下の日本では鉄師達にとってそんなことは知る由もなかった訳だ。
駐車場に戻る際、小高い場所に登って山内を眺めると高殿の横に桂の大樹がある。早春、朱鷺色の新芽がとても綺麗だそうで、できればそんな時期にもう一度ゆっくり来てみたい。