振り出しに戻る「落陽日記」

旅や日々の生活の一コマ。60代半ば、落陽期を迎えながら気持ちは再び振り出しに戻りたいと焦る日々です。

出雲のたたら遺跡巡り(2)奥出雲たたらと刀剣館、そして出雲そば

2018-05-25 08:53:47 | 旅行
奥出雲たたらと刀剣館のある奥出雲町は広島県に接する町で中国山地の奥まで来たことになる。

遠くから見ると大きなドリルのようなオブジェがあったが、近づいて見るとヤマタノオロチを模したようだ。





我々以外に来場者はハイヤ-のドライバーと一緒のご婦人がいた。

ここでたたら製鉄の際に炉内に送風する鞴(ふいご)に対面できた。古い時代は空気袋を獣の皮革で作っていたようで鞴の文字にその意味が表れている。当初は手動だったものが足踏みに進化したらしい。

江戸時代になって登場したのが大型の足踏み式の天秤鞴で一人踏みまたは二人踏みがある。踏鞴とも書くらしい。

番子と呼ばれる労働者が1時間踏んだ後他の番子と交代することから「かわり番子」の言葉ができたとか。



たたらを踏むとはこの作業中の姿から連想したものと思われるが、体重をかけるだけでなく木枠を握って体を支えながら力を入れて踏み込んでいる姿が想像される。高温で燃える炉のそばでの番子の仕事は想像しても余りある重労働だろう。

江戸時代の中期頃につかわれていた製鉄炉が再現されていたがこれは想像をはるかに超える構造物だったのでビックリ。



画像ではわかりにくいが全体の上側1/4が地上部分でそれ以下は地下構造物だ。木炭や砂鉄を燃焼させる炉や天秤鞴は地上にあるがその下にはこれだけの構造物が埋まっていることになる。

炉を据え付ける土台の保温と地下からの水分や湿度の上昇を防ぐことが目的とある。温度計や湿度計も、時計すらない時代に経験とカンを積み重ねてこれだけの物を作り上げた人達の知恵と工夫に驚く。


館の名前にあるように刀剣類もたくさん展示されている。最近の刀匠の作品も多い。

刀剣女子と言う言葉を最近聞いたが、刀剣に興味を持つ女性が多いようだ。一通り展示品の刀剣を見たが本来は人を殺傷する目的で作られたモノで見ていると背筋が冷たくなる感覚がある。自分としては美術品のカテゴリーには入れにくい。

館を出ると既に13時近くで予定よりかなり時間がかかり、お腹も空いた。道の駅に行ったらそばでも食えるかと車を走らせたが¥1400のバイキングで単品はカレーライスのみ。

カーナビでそば屋を検索して出雲三成駅近くに戻って入った店がこれ。





鰻丼とミニそばで¥1100、写真を撮る前にそばを二口食べてしまった。鰻はふっくらボリュームがあり、そばもとろみのある出汁で美味しかった。



上の画像は安来から奥出雲に向かう際、亀嵩(かめだけ)の町を通過中に撮影。最初は何のこっちゃと思ったが地名を知ってニヤリ。