振り出しに戻る「落陽日記」

旅や日々の生活の一コマ。60代半ば、落陽期を迎えながら気持ちは再び振り出しに戻りたいと焦る日々です。

九州の国道フェリーに乗って

2017-09-28 10:00:16 | 日記
九州のバイクツーリングに行ってから早1ヵ月が近づこうとしている。リタイヤして暇を持て余していながらも時間の経つのは早い。

関西から九州までの長距離フェリー以外にローカルのフェリーに2度乗った。天草の下島にある牛深港から長島の蔵之元港まで約8kmで30分ほどの航海だが乗ったのは第二天草丸(577t)。1日10往復の便がある。


福岡県大牟田市と鹿児島県阿久根市を結ぶ国道389号線があり、大牟田から有明海を渡って島原半島~天草下島~長島~阿久根を経るルートだが途中3ヶ所の海上区間があり海上国道とも呼ばれている。海上区間はフェリー航路で繋がっていて国道フェリーと言うところもあるがほとんどが民営で、国交省あたりからの補助があるわけでもないようだ。

2度目は鹿児島市街と桜島を繋ぐ鹿児島市営の桜島フェリーで4.5km、約15分の航海。乗ったのは第15桜島丸(チェリークィーン、1134t)。24時間運航で88便/日、6隻のフェリーが運行しもある。


画像は桜島丸(サクラエンジェル、1330t)と思われる。

よく調べるとここも国道224号線の海上区間で国道フェリーだ。鹿児島湾を横断して噴煙を上げる桜島を船上からゆっくり眺められるのはフェリーならではと思う。

話は脇道に入るが、これらのローカル短距離フェリーは自動車のゲートが船の前後両方にあり、乗船口と下船口は別々。船内に船の大きさや構造が掲示してあったので見ると1両で走っている電車やディーゼルカーと同様に操舵室が前後両方にある。スクリューも両方にあり「両頭型フェリー」と呼ぶそうだ。

後で調べると後部側のスクリューで推進して、その時に前方のスクリューは空転させているようだ。このような構造では速力は犠牲になるが短距離ではOKなのだろう。また港内で方向転換の必要もなくストレートに接岸できるのでその面での時間短縮効果は大きい。

以前、わずかな期間だがプレジャーボートを所有していたことがあり、比較にならないほどの小さな船だが接岸が大の苦手だった。風が吹いていたり波がある時などはなかなかうまく出来ない。

そう考えると両頭型フェリーはよくできていると思う。





九州航路のフェリーに乗ってみて(2)

2017-09-24 13:37:42 | 日記

バイクツーリングのために乗ったフェリーサンフラワーだが往路は別府まで「こばると(9245t、1998年就航)」で、復路は志布志から「きりしま(12418t、1993年就航)」だった。

名門大洋フェリーに比べるといずれも就航から年月が経っているので設備などに差があるのはやむを得ない。最下級のエコノミー(サンフラワーではツーリストと呼ばれている)での比較だが名門大洋フェリーは20~40人の部屋で真ん中に通路を挟んで両側に乗客スペースが並んでいるのに対してサンフラワーきりしまは体育館のような大部屋で仕切りは全くない。バッグなどを置くための棚もなく、満員でもなかったので空いてるスペースに適当に置いた。席番はカーペットに打ち込まれたプレートに表示されていた。

こばるとの方は高さ1メートルくらいの荷物棚で仕切られているが空間的には大部屋だ。

40年くらい前に新日本海フェリーで北海道まで往復したことがある。その当時も大部屋に変わりはないが席番などはなくて毛布と小さな枕をもらって先着順に適当にスペースを確保していた。お盆の時期で満員だったので止む無く夜中に甲板に毛布を敷いて横になっていたら誰かに股間を踏まれて痛い思いをしたことを思い出した。

サンフラワーきりしまは来年の就航25年を迎えて新造船に更新されるようだ。どんなふうになるのか一度乗ってみたい気もする。

また、きりしまに乗って夕食を終えてレストランを出たところで船内スタッフから星空教室に参加しないかと誘われた。夏の期間限定の企画のようで、通常は甲板に出て天空を見上げての教室らしいが生憎と台風の影響で揺れているので船内のレストルームでプロジェクターを使った講義になった。

40分間くらいで女性の講師が説明する月や星座、天の川の話に聞き入ってしまった。町明かりのない暗い太平洋の海から見える星空は素晴らしいようだ。今回は残念だったが新造船が就航したら月の現れない日を選んで乗船するのもありだと思った。

九州航路のフェリーに乗ってみて(1)

2017-09-21 15:56:47 | 日記
関西と九州を結ぶフェリー航路は現在7本あって、今年になって3本乗ったことになる。
大阪南港から北九州新門司港へ名門大洋フェリーの「ふくおかⅡ」(2002年就航、9800t)帰りは同じく名門大洋フェリーの「きたきゅうしゅうⅡ」(2015年就航、15000t)に乗った。


新門司港へは神戸と泉大津から阪九フェリーの航路もあるが名門大洋フェリーを選んだのは
①大阪南港の方が神戸や泉大津よりアクセスが良い。
②新門司港とJR小倉駅間に無料のシャトルバスサービスがある。(阪九にはない)
③17時出港の第1便だとネット予約で運賃が30%OFFになる(除く繁忙期)。阪九は最大20%OFF。
と言う理由からだ。

19:50発の第2便に比べて17:00発の第1便は乗船率が低いようで船も一回り小さく、船内レストランで夕食を食べた客は夕食券の半券を持参すれば朝食は無料と言うサービスをしていた。

帰りのきたきゅうしゅうⅡは第2便で、就航から2年未満の新造船だ。まずトイレが綺麗で、入ってはいないが女性用のパウダールームもある。運賃が最も安いエコノミーを利用したが荷物の収納棚がきっちりあり、マットを広げて身体を横にしても隣席の客と顔が合わないように頭の部分は収納棚が壁の役割をしている。スマホの充電ができるように1個ずつコンセントが付いているのは助かる。

実はウッカリだが充電器を差し込んだまま下船してしまい、帰宅して気付いたが買い直すはめになった。

新聞で読んだことがあったが名門大洋フェリーではこの新造船を建造するにあたり女性社員だけでプロジェクトを立ち上げ、女性視線での安心して使いやすい快適な船内設備を志したそうだ。パウダールームはその成果だろうが、レストルームでは長いカウンター席があり、そこなら女性の一人旅でも瀬戸内の景色を眺めながら持参の軽食をとることもできる。テーブル席に一人だけで座るのは男でもはばかられがこれは良い。

新造船になって大きく変わったのでは思われたのはエコノミーの定員が少なくなり上級船室がその分増えたらしいこと。きたきゅうしゅうⅡのエコノミーは20人の部屋が2室しかなかった。雑魚寝のエコノミーは敬遠されているのかコンパクトなビジネスホテルかカプセルルームのようなワンランク上が増えているようだ。隣で雑魚寝している相客と雑談しながら旅をするのも悪くはないと思うが。

フェリーサンフラワーの感想は次にしたい。

復路のフェリーは台風の影響で揺れたが無事に帰宅

2017-09-19 14:43:53 | 日記
鹿屋基地を出るとあとはフェリーに乗船するために志布志港までまっしぐら。遅くとも出港の1時間前には乗船手続きを終えなければならないが余裕をもって到着できた。予定通りに18:30に出港したが太平洋航路で大阪へ向かうために日本の東方海上で停滞する台風15号の影響で船は揺れた。気分を悪くするほどではないが船内を歩行中に思わず手すりを掴むくらいの揺れは時々あった。




今回のツーリングは大阪南港を出発して別府に上陸した後に九州を周遊して帰りは志布志港から大阪南港に戻るわけだが、「バイク舟遊プラン」と言う運賃割引が適用された。ライダー+750cc未満のバイクで18150円だ。往路は10台くらいのバイクだったが復路は23台乗っていた。往路で一緒だったバイクも1台あった。

タフなプランでは現地での宿泊なしで同じ航路を往復する「バイク弾丸フェリー」プランもあり、夕方に大阪南港を出発して翌々日の朝に戻って来るプランだ。23台の中にはそのプランのバイクが何台かあったはずだが、これはキツイ。

5月に郷里の友人と九州を旅行した際に私一人でフェリーを往復利用したが(バイクも車もなし)、
①夜行便なので朝の到着後、または帰り夕方の乗船前まで時間がしっかり使える。
②高速道路での移動より楽で安全。
③風呂やシャワーが使えてレストランで楽しい飲み会ができる。
④睡眠のためのスペースは少し狭いがバスや鉄道に比べると断然寝やすい。
⑤目的地までの時間はかかるがリタイヤして365連休を持て余している身には問題ない。

上記のように思えたので他の3氏に声を掛けることで今回の九州ツーリングが実現したが、3氏とも同様の感想を持ってくれたようだ。


自宅に戻った時点で走行距離は700kmになっていて、手首から先はハンドルを握りっぱなしのためにむくんでいた。どういう訳か顔もむくんで目が一重マブタになっていた。

歳のせいかやっぱり疲れたが楽しかったのだから仕方ない。

フェリーで桜島へ渡り、鹿屋航空資料館へ

2017-09-17 12:14:42 | 日記
えびの高原と千里の滝を見た後、霧島神宮の脇をパスして鹿児島に向かった。5月末に家内と来た時に2回も昼食を食べた姶良の寿司屋に寄りたかったがお得なランチ定食は平日限定なので残念だが土曜日の今日はパスした。



桜島へ渡るのは初めてだが、フェリーからの山容、南側からの山容、有村溶岩展望所からの山容、みな微妙に異なる。九重山、阿蘇山、雲仙普賢岳、えびの高原硫黄山、そして桜島と噴煙の昇る山ばかり見て来たが九州の大地は活きている実感がする。

桜島に渡ってからは走行中にほこりで目をやられることが何度もあった。道路から舞い上がる火山灰と思われるがサングラスだけでは防げないのでヘルメットのシールドを下げざるをえなかった。

桜島を後にして最後の目的地は海上自衛隊鹿屋航空基地資料館だ。ここには戦前の海軍の航空機や海上自衛隊で使用されていた飛行機が展示してある。


私の希望でメンバーを連れて来たが、一番見たかったのがこの飛行機だ。


思っていたとおりデカイ。実際に運用された海軍機の中では最も大きいのではないかと思う。この機体は終戦直後に調査のために米本土に接収され、後に日本へ返還されたらしい。

この機の防御兵装として20mm機関砲5丁とあり、前方と背面と後方、そして側面×2に装備されていたが後方の銃座を眺めながら想像して恐ろしくなった。米軍の戦闘機に襲われた場合、ここの銃手はガラス以外に遮蔽物のない銃座で機関砲を構えながら後方正面から迫ってくる米軍機の6丁の50口径機銃の連射にさらされる訳だ。背筋が凍ってしまうような恐怖だ。


二式大艇のノウハウを引き継いで開発されたという飛行艇US-1も展示されていた。5年前にも山口県の周防大島で同型のPS-1の展示機を見た。

これはR4D-6と表示されていたがあのDC-3ダコタと同型のC47の派生機だ。機首に取り付けたレーダーが少し異様だが外観はダコタのまま。海自では多用途機として運用されたようだ。

その他にもいろいろな機体が展示されていて館内にはゼロ戦もあるようだが時間の関係で割愛した。