曲がりなりにも半田ごてとテスターを使い、真空管ラジオのレストアの真似事を楽しんでいる店長としては、測定器にもつい関心を寄せてしまう。そんなある日、ヤフオクで目に止まった測定器が、リーダー電子の昭和43年製シグナル ジェネレータ LSG-11である。
LEADER TEST INSTRYMENTS LSG-11 SIGNAL GENERATORと書かれた外箱の横に並ぶグレーに塗装されたLSG-11本体ケースの中央には、 “ 俺は測定器だ~! ”と自己主張するかのように大型スケールダイヤルが据えられている。その周囲にレイアウトされた各種切替スイッチや調整ノブといった “ 昭和の機能美 ” に、ボクの目は思わず釘付けとなった。
シグナル ジェネレータは、ラジオのレストアをするとき、IFT調整、トラッキング調整などを行なうために必要な測定器であり、 修理や調整の力強い味方になるそうですが・・・真空管ラジオの清掃と簡単な部品交換、デザインにまつわる “ 講釈 ” を並べるだけの、「なんちゃってレストア・ワールド」を楽しむ店長には、まさに “ 猫に小判 ” 。
本来Signal Generatorとは、安定した任意の周波数と強度の信号を発生させることのできる測定器を指しますが、本機は「シグナル・ジェネレーター」と銘打っているものの、実際はテストオシレーターと呼ばれる簡易的な信号発生器。 400Hzと1000Hzの低周波信号、120KHz~390KHzの高周波信号をHigh/Lowの2段階で発振し、強弱の目安にしかなりませんが、真空管ラジオや受信機の調整に重宝する測定器なのです。
今回入手したリーダー社製シグナルジェネレーター(テストオシレーター)LSG-11は、トランスレス・ラジオ2台分、つまり居酒屋2回分 or キャバクラ2セット分(笑)の価格で落札。当時のアマチュア無線家の方が購入され、使われる機会もほとんどなかったのか、元箱入りで届いたLSG-11は、'68年製の年代ものにしては実にキレイで使用感はまったくありません。 ただ取扱説明書と思われた添付の冊子は、リーダー電子の製品カタログ・・・当てが外れてしまいました。
トホホ・・・ (T△T)
LSG-11は、双3極管の12BH7による発信回路および緩衝回路、6AR5によるAF発信回路または水晶発信回路、セレン整流器による整流回路で構成されています。
発振回路は、A~Fの6バンドで120Kc~130Mcまで対応し、高調波を利用するため120~350Mcのスケールもあります。発信回路には周波数調整用のトリマやコア等は一切ついていませんが、全バンドでほぼスケールどおりに発信します。
また周波数可変用にアルプス製2連バリコンを採用、ダイアル機構は金属製円形プレートをシャフトで回転させる仕組のため、スムーズな操作感です。
操作パネル説明
①変調/搬送波/水晶 選択スイッチ (EXT/400~/1000~/XTAL)
②校正用水晶発振子端子 (XTAL)
③パイロットランプ
④電源スイッチ兼低周波出力入力調整 (POWER OFF AF IN-OUT)
⑤低周波入出力端子 (GND) (AF)
⑥周波数同調ダイヤルつまみ
⑦高周波出力レベル調整 (RF FINE)
⑧高周波出力端子 (OUT)
⑨高周波出力 HIGH/LOW切替スイッチ (RF HIGH/LOW)
⑩周波数バンド切替スイッチ (FREQ RANGE)
規 格
発振周波数範囲 120kHz~390MHz
高周波出力電圧 約100,000μV (120kHz~38MHz)
高周波出力調整 High/Low (2段連続可変)
変調用周波数 約400Hz 約1,000Hz
水晶発信子 FT-243型
低周波出力電圧 3~4V
低周波入力電圧 2~4.5V
電 源 AC 100V 50/60Hz
真 空 管 12BH7 6AR5
付 属 品 75Ω ケーブル
寸法・重量 190×275×115mm 約2.5kg
「LSG-11」でググってみたところ、JH1GVB の無線室というウェブサイトに同機が紹介されていました。
LSG-11の回路図を見ると、コンデンサが6個使われており、真空管ラジオと同様、当時のオイルコンデンサは経年変化しているため、すべて交換したほうが良さそうです。そこで厚かましくも氏にメールにて調整箇所の有無を確認したところ、同機に内部調整箇所は無く安心してコンデンサ類の交換が行なえる旨のアドバイスをいただきました。また'66年当時の月刊雑誌『初歩のラジオ』に掲載されていた「テスト・オッシレーターの正しい使い方」という貴重な資料までお送りいただき、感謝感激!
同ウェブサイトでは、ハリクラフターズ製受信機のコレクションと、それらを極めて高度なリペア技術で今に甦らされたご様子も紹介されています。'50~60年代、アメリカ製の送受信機はまさに世界をリードするコリンズやハマーランド、ハリクラフターズといったメーカーが競いながら最高品質の製品を提供し、当時発展途上であった日本の工業界やアマチュア無線家に大きな影響を与えた時代である。ダブルムーン呼ばれる半円状のダイヤルスケールをコンセプトとした同社独特のデザインは、インダストリアル・デザインの視点からも、魅力的だ。
また同ウェブサイトでは、ハリクラフターズのリペアにとどまらず、“ S-38CをリスペクトしたデリカCS-7への逆改造 ”、“ OEMで供給されたS-119と国内販売されたスターSR-100との比較・考察 ” など、同社の魅力を余すところなく紹介された、氏のセンス溢れる興味深いコンテンツが満載です。
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突然で申し訳ありません。不快に思われましたら削除、または無回答でもかまいません。
では、失礼します。
ja3eoe様
はじめまして! ようこそ当カフェにお越しいただき、ありがとうございます♪
私のような若造に"A"コールの超OM殿よりお声掛けいただけるとは・・・・恐縮してしまいます(笑)
キロワットのパワーゲームより、1W以下のQRPでVKやW6などとQSOできたときの喜び、達成感は格別ですよね。
趣味の世界はお金をかければ目的はある程度達成されるのですが、自己規制をかけることで、より深さと愉しみを追求できる側面があると思います。
仕事とトレッキングに明け暮れてるため、記事の更新もままなりませんし、稚拙なレストア文章のブログですが、女子大生から親父、おじいちゃん世代まで大歓迎の自由気ままなヴァーチャル・カフェです。気分転換にお気軽にお立ち寄り&コメントをいただければ何よりです。
懐かしいことば「テストオシレータ」を検索していて 寄らせていただきました。
少し前からストレートラジオとQRPにはまっています。手ごろな測定器が手に入らないのでローカルのOMさんと自作にチャレンジしています、測定器がそろったころ ストレートラジオ
の熱がさめないかと心配も・・。
http://blog.goo.ne.jp/ja3eoe?
はじめまして! ようこそ当カフェにお越しいただき、ありがとうございます♪
まさかLSG-11を作っていらっしゃったOM殿からコメントをいただけるとは・・・ビックリしました。
昭和のラヂオを検証していくと、当時の技術者の「魂」を感じます。 今日(こんにち)の技術立国・日本の歴史に触れることも、この趣味の醍醐味だと思っています。
適当でいい加減なブログですので(笑)、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
こんなに保管状態の良い、懐かしのLSG-11を拝見し、嬉しさの余りついつい、本日書き込みをしてしまいました。思い起こせばMT管使用の測定器で、上司には半田上げの際、仕上がりに顔が映るくらいが適温だと、よくアドバイスを受けたのが、懐かしく思い起こされましたよ。末永く大事に可愛がってやって下さい。BY JA2JQD
ラジオ親父様、ご返事ありがとうございます。私は7年ぐらい前に、無線機は残して、16mHのパンザーマストを撤去しました。最近のHAMバンドは聞いたことがないのですが、賑やかだった2mあたりも閑古鳥が鳴いているそうですね。435Mhzのリピーターを使って、無線でしゃべりながらの、朝夕の通勤のしなくなり、で地域の無線クラブも自然消滅してしまいました。
無線をしていた人が、インターネットや携帯電話に移ってしまったのでしょうかねー
グラス片手に山小屋でお聴きになるハリクラS-38の音は何とも最高に心地よい時間なのでは?大型ループかビバレージアンテナを張ると、トランスパシフィックで北米や豪州の中波局受信も夢ではないかと・・・ ロマンがありますよね~
近年のお空は非常に寂しい状況です
まだ7Mあたりは賑っていますが、私の好きな50Mなどは閑古鳥が鳴いています
あまりCQを出すほうではないのですが、やもなくCQジェネレータを作り始めました
音声再録用の安いICで組んでいます
Eスポシーズンに間にあえばいいんですが?
店長様
いただきました
見るからにおいしそうなので、次に山小屋に行くときまでとっておこうと思っていますが、我慢できるかどうかです(笑)
博物館の件、また日をあらためてEYE-BALL Meetingをお願い致します。「にっちも、さっちも、ラジオヤジ」なる番組、昼間なので当地では聴取できません・・・が、タイトルは親父っちっくでセンスありますね。
ラジオ親父様
HeathKitのTube Tester model TC-2は、入札後、風呂へ入っているうちに終了時間とあいなってしまい、¥500差で落札できませんでした。
まぁ縁が無かったということで、TC-2かTC-3あたりが出品されたら、再チャレンジしてみます。。。
ここに良く来ている「かめ」実は亀山です。ラジオ親父さんは、CQ誌に記事を書かれているのではないかと思います。コールサインを見たような気がします。私のコールサインはJA4BKEですが、最免許申請を忘れて、10年ぐらい前から失効しています。
岡山県に住んでいますが、山陽放送でアナウンサーが浜家さんという団塊の世代のおっさんなので、「ラジ親父」と言う番組があります。
私は、数年前にアンテナを降ろして、パンザーマストを撤去してしまいましたので、電波を出すことができません。HAMから遠ざかっていますが、機械は残しています。もう使えないかも知れません。HAMの次はラジコンの飛行機に趣味が移りましたが、これも最近はあまり飛ばしていません。
まあそんなところですが、よろしくお願いします。
当店へおいでいただき、ありがとうございます♪
稚拙なレストアと文章のブログですが、女子大生から親父殿まで大歓迎の自由気ままなヴァーチャル・カフェです。気分転換にお気軽にお立ち寄り&コメントをいただければ何よりです。
実は・・・HeathKitのTube Tester model TC-2あたりを狙っています。ただ落札価格の高騰に何度もリタイア・・・今回はどうなることやら・・・です。
ラジオ親父様には技術面でケアもぜひ賜りたく、今後とも宜しくお願い致します。
技術一辺倒ではない、楽しい内容を楽しませてもらいました
これからは、「ラジオ親父」として気軽にコメントさせてください
更なる「機能美」の追求には、「真空管試験器」などはいかがでしょうか?
私は大きなメータと沢山のツマミにほれ込んでいます(笑)
いえいえこのブログは、自由気ままなネタ大歓迎ですし、読者の方々もラジオよりむしろそちらのネタを望んでおられる方も多いんです
o(*^▽^*)o~♪
今年のGWは、飛び石なので暦どおりの休日です。農作業で汗をかくなんて一番健康的ですね!実はアタシもガーデンデザイナー見習店長をしてきました。知人宅に、古レンガを使って株立ちヤマボウシ、ヤマブキ、ウスキ、ハイビャクシンを植栽し、ちょっとしたジャパネスク・イングリッシュ・ガーデンを作りました。近々ブログでご紹介いたします(゜ー゜;A
落花生はそんな流れでできるとは知りませんでした。。。
てっきり芋のように根にできるものだと思い込んでいましたが、落花生は豆ですもんね。
例の場所は閉館しているのか否か未だ確認がとりません(T△T)
ついに測定器まで、手に入れましたね。
そのうち、シンクロスコープだとか、チューブチェッカーなども欲しくなるのではないですか。
連休前半は、総社市の家庭菜園に夏野菜とサツマイモ10本を植えました。2年前には別のところ(倉敷市真備町)にピーナツとサツマイモを約50本づつ植えましたが、草だらけになって困ったので、昨年からやめました。サツマイモをご飯の代わりに食べるのならいいですが、ご飯を食べた後にサツマイモを出されても・・・・・・!
人間は太るわ、屁は出るわ、食べきれない芋は腐るわ・・・ってなわけです。
ピーナツも適当に収穫し、おいしかったですが、植える間隔が狭すぎたようです。
落花生とは良く言ったもので、黄色い花が咲いて、つるが延びて(落ちて)地中に入ってその先端に豆が生まれる・・・・・
「花が落ちて生まれる」漢字そのものでした。
ラジオの関係なかったですね。申し訳ないです。