昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

三菱電機製mt管ラジオ( 6E5M マジックアイ付)

2007-10-17 | 三菱電機 真空管ラジオ
このブログ開設当初からご覧いただいている ちゃぼたさんより、貴重な 三菱電機製mt管ラジオ(6E5Mマジックアイ付)をご進呈いただきましたのでご紹介します。

 愛犬ももちゃん、ウサギ、おさかなをこよなく愛する心やさしき ちゃぼたさんは、園芸や料理、ラジオコレクションにもいそしんでおられ、その様子をご自身のブログ 【ちゃぼたのラスボラ天国】に楽しく綴られている。そのブログに『シッポ切りラジオ、その後。』のタイトルで掲載されていたラジオを、今回、何と!“タダ” でアタクシめにお譲りいただくこととなった次第です。
        
          ▲シッポ切りラジオ(ちゃぼたのラスボラ天国より)

 記事でご紹介されてるように、擦り傷だらけのうえACコードも切取られていたというこのラジオを、ちゃぼたさんはヒューズとパイロットランプを交換後、果敢(無謀?笑)にもACコードを繋げ、電源を入れられると、鳴り出したそうです。ACコードの切取られた真空管ラジオは、部品の劣化等によるリスクが高いため、再生できないようにするために「ACコードの切取り」を行うと聞いていたが、こんなケースもあるんですね。

 ちゃぼたさんから届いた荷物をさっそく開梱し、出てきたラジオは予想していたより一回り大きなサイズ(高さ:約17cm×幅:約34cm×奥行き:約13cm)。持ち上げるとズッシリとした重量感がある。キャビネットを3種類のコンパウンドで研磨されただけあり、多少の傷は残っているものの、キレイな外観です。
ちなみにこの真空管ラジオは、裏蓋にも回路図にも型式の記載がない。型式をご存知の方は、ぜひご教示いただければ幸いです。
        
 ボクシーな赤茶色のプラスチック製キャビネットの各エッジは、アール状に処理され、細かいピッチでスリット加工されたキャビネット前面に輝くゴールドの「MITSUBISHI」ロゴ入り金属製プレートと、円盤状の周波数表示盤を組合せたデザインが魅力的です♪ 
        
 裏蓋を取外すと、キャビネット内もちゃぼたさんの手によりキレイに掃除されており、ナショナル製の6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR6(電力増幅)、5M-K9(整流)が、整然と並ぶ。また周波数同調を確認するマジックアイには6E5Mが使われている。
バリコンのガタつきは気になるところだが、この修復も含めしばらくの間、楽しめそうだ。
        
 試しに恐るおそる電源を入れ、数分間だけテストしてみた。パイロットランプが点灯し、しばらくすると弱々しく空電ノイズが聞こえてきた。同じ三菱製バーアンテナ内蔵トランスレス機、5P-350と比べ、感度不足を感じる。
しかし周波数表示盤に映るパイロットランプのオレンジ色の灯りと、マジックアイの緑色が織りなす幻想的な光のハーモニーが、何とも形容しがたい上質な雰囲気を醸し出している。
 深夜、この灯りの奥から聴こえる音楽の音色を想像しただけで、修復への意欲が湧き上がってきます。
        
 ツマミと周波数表示盤を抜き、キャビネット底の3本のネジを外し、シャーシ内の点検を行なう準備に取りかかった。軽く掃除をしていただいているが、多少の錆が浮いているのは50年前のラジオとしては致し方ないところ。細部まで清掃する楽しみが増えました(笑)
        
 パイロットランプはアルミホイルを巻いて応急処置を施されている。さすが器用なちゃぼたさん、こうしたアドリブをきかせた臨機応変な対応を見ると楽しくなります。
 バリコンのゴムブッシュ劣化、プーリーの糸掛け断線など修理の必要な箇所も多々あるようです。
        
 シャーシー内部の埃はOAクリーナーで吹き飛ばし、平筆を使って丹念に除去する作業を繰り返しつつ目視点検を行なった。
信頼性の低いペーパーコンデンサーは危険なため、全品交換することにしました。