湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ストラヴィンスキー:夜鳴きうぐいすの歌

2005年02月23日 | ストラヴィンスキー
○サバータ指揮ロイヤル・ストックホルム・フィル管弦楽団(FONIT CETRA,DOCUMENTS)1947/9/29・LP

シャープな指揮ぶり、音の繊細な美質に明らかに印象派風音楽を指向したフランス的解釈を施しているのがわかる。ストラヴィンスキーの書法は原始主義的にもラヴェル的にも現代音楽的にもいかようにでも成るとても書き込まれた天才的なものだが、ここではラヴェル的な音楽を志向していると言っていいだろう。私はとても好きである。打楽器的な響きも透明な抒情を構築する一要素となり非常に美しく広がる。録音の悪さ以前にこのオケの硬質な特質がくっきり浮き彫りになり、技術的に完成された演奏能力の高さが他の瑕疵をどうでもよく思わせるほどだ。これはサバータの極めてスマートな解釈によるところも大きい。変にいじらず、勢いを失わず、からっと乾いた響きに歌心を仄かににおわせて、音楽を楽しんでやっている。録音マイナスで○とはしておくが、いい演奏です。24日とされる録音も残っており音質的にはそちらのほうがよい(CD)。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« グリエール:シャー・セネム | TOP | ウォルトン:ポーツマス・ポ... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ストラヴィンスキー