湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ストラヴィンスキー:兵士の物語組曲(ヴァイオリンとクラリネット、ピアノのための)

2019年03月03日 | ストラヴィンスキー
ロスバウト指揮バーデンバーデン南西ドイツ放送交響楽団のメンバー(Artis他)1952/5/5・CD

ロスバウトは現代ものに限らず夥しく広範な録音を残しているが、ほとんどモノラルのためペイが見込めず復刻がされない、されても一回限りバラバラのレーベルからという状態が続いていた。それがDGのボックス以来の大箱となってArtisから廉価登場した。CDであればstradivariusからicaまでという古今カバーの仕方が凄まじい。廉価盤なりの質だが元の録音が良くないので大して違いはないと考えていい。この録音は手兵バーデンバーデンとのものなのでwergoかどこかのメジャーレーベルだと思うが(整ったセッションゆえ放送録音でもないだろう)、盤として記憶にないのでレーベルはATとしておく。ストラヴィンスキーがトリオ編成で書いた編曲でスコアを持っているが非常に巧緻で、原曲にひけをとらない聞き心地だ。ただこれはロスバウトが複雑な現代曲をやるときによくあったのだが、ものすごいローカロリーだ。意識して気を抜いてスコアを正しく発音していくような調子である。ただ曲想的に、また時代的に奏者に気が入ってくる場面もあり、「三つのダンス」あたりはロスバウトらしい不思議な愉悦感がかんじられる…正確さを極めたうえで音を適切に打ち付ける。それもまたカロリーを失うのは早い。だからといって現代的な精緻さの獲得まではいかず、正直半端な聞き心地のまま終わった。
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