○ミュンシュ指揮LPO(DUTTON)1947/6/6・CD
ミュンシュの蜘蛛の饗宴があるとは知らなかった。ルーセルの第一人者といっていいミュンシュによるルーセル集をDUTTONの復刻にて聴けるというのは喜びである。オケがロンドン・フィルというのも珍しい。同オケにてへ調の組曲も収録されている。音色、色彩感ではフランスオケに負けるかもしれないが、軽やかさや精妙さには欠けていない。むしろ技術的なメリットのほうが大きく、ミュンシュの激しいドライブを吸収し完璧に表現している。解釈的にはねっとりした序奏部からもうミュンシュ節、しかし晩年のようなテンポの沈滞や歪みはなく、めくるめくダンスとリリカルな音楽の意外なほど美麗できらきらしたさまは楽しい。まあ、ミュンシュのロマン性は強く、重いと感じる向きもあるかもしれない。モノラルの古い録音のせいもあるか。ミュンシュの古いラヴェル録音を想いおこせば、そういう演奏である。
ミュンシュの蜘蛛の饗宴があるとは知らなかった。ルーセルの第一人者といっていいミュンシュによるルーセル集をDUTTONの復刻にて聴けるというのは喜びである。オケがロンドン・フィルというのも珍しい。同オケにてへ調の組曲も収録されている。音色、色彩感ではフランスオケに負けるかもしれないが、軽やかさや精妙さには欠けていない。むしろ技術的なメリットのほうが大きく、ミュンシュの激しいドライブを吸収し完璧に表現している。解釈的にはねっとりした序奏部からもうミュンシュ節、しかし晩年のようなテンポの沈滞や歪みはなく、めくるめくダンスとリリカルな音楽の意外なほど美麗できらきらしたさまは楽しい。まあ、ミュンシュのロマン性は強く、重いと感じる向きもあるかもしれない。モノラルの古い録音のせいもあるか。ミュンシュの古いラヴェル録音を想いおこせば、そういう演奏である。