湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆フレンニコフ:交響曲第1番

2016年09月17日 | ロシア・ソヴィエト
○ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(MELODIYA)1959/11ボストンlive・LP

珍しい録音でモスクワ録音とされたこともあるようだがボストンと明記されている。メロディヤではモノラルだが原盤はRCAでステレオの可能性が高い。モノラル末期の比較的良好な録音だがライヴなりのぼやっとしたところは残り、裏面の協奏曲(コーガン、コンドラシン)のほうが数倍クリアである。最初から最後まで焦燥感に満ちたえんえんと続く激しい愚痴、といった曲だがソヴィエトのリアリズム作家に典型的な作風が発揮されているともいえる。ただ、オケが洒落ているのと指揮者が統制力のある人であるために曲の価値が数倍上げられている感があり、ソヴィエト特有のお定まりの盛り上がりもショスタコ的な骨ばったものではなくかといってピストンやらアメリカ・アカデミズムの平易で安易なものでもない、「フレンニコフってなんだかんだいって独特の才能があったんだなあ」とまで言わしめる起承転結を曲想にあわせしっかりつけた演奏になっており、ブラヴォー大拍手も「いつもミュンシュが浴びているたぐいのものではなく」真にこの珍曲を名曲に仕立て上げたミュンシュとBSOへの賛辞と受け取れる。けしてミュンシュは洗練された指揮者ではないと思うのだがここではやはりロシアの指揮者と比べて数段スマートでまとまりいい演奏をする人、という印象が残った。○。

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