湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆フレンニコフ:交響曲第2番

2017年11月23日 | ロシア・ソヴィエト
○コンヴィチュニー指揮ソヴィエト国立交響楽団(melodiya)LP

引き締まった演奏で聴きやすい。拡散的なスヴェトラよりよほど本質を理解しやすいだろう。この人はまだご存命だが周知の通り「戦犯」であり、ショスタコの寿命を縮めポポフやシェバーリンの命運をたった人である。本人によればそれも時局柄仕方がなかったという言い訳になる。ただ一つ、フレンニコフは決して才能がなかったわけではない。ここにきかれるのは悪名高い「社会主義レアリズム」の手本ではあるが、凡作ではない。耳なじみよく、なおかつ控えめな響きの面白さ(まシロホンくらいだけど)も盛り込まれた秀作なのだ。冒険することだけが芸術の目標ではない、確かに社会の比較的低い位置にいるかたがたの耳を楽しませることは重要であり、それを伝統楽器を使って表現することには何の問題もない。フレンニコフは自分ひとりでやればよかったのだが・・・歴史は翻らない。しょうがない。コンヴィチュニーがこれを振ったのも恐らく上からの命令だろう。だからといって(個性的な構築性は聞かれないが)手を抜かない。力強いロシアの響きがコンヴィチュニーの一歩引いた感じ、ドイツ的な重さを軽減し、前進的にまとまる方向に持っていっている。私などスヴェトラ盤より求心力があり余程わかりやすかったのだがいかがだろうか。曲的にはカバレフスキーの交響曲を想い起こせばそれである。○にしておく。傑出してはいないし、演奏家の個性的なものもないが、悪くはないというレベルである。ドイツのスタジオ録音がある(MEMORIESで復刻)。

※2006/11/2の記事です

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