作曲家指揮バーデンバーデン南西ドイツ放送管弦楽団(forgottenrecords)1949/5/29放送live
作曲家がロスバウトのオケを振った大変珍しい二枚組で、オネゲルの自作自演というとたしか戦前の交響曲一曲協奏曲二曲を含むSP録音群、晩年の「ダビデ王」および歌曲伴奏くらいしか無かった。まだ40年代の放送録音なので状態の悪さは仕方ないが、残響を加え拡がりをだしている(ゆえにノイズも拡がりが加わり耳心地は良くない)。音場が左右にぶれたりするので素直にモノラルで聴きたい気もするが、この曲は冒頭からやたらと豊潤な和音が変化しながら続く趣向で、情報量やクリアさがないと美質が伝わりづらく、モノラルの狭い音よりは原音に近いかもしれない。オネゲルの棒がそうやってるだけかもしれないけれど旋律が細く、むしろ和音の連なりによって色調変化をあらわし、さらにバッハ風の機械的構造をもって曲を作り上げていく。ヒンデミットのわかりやすいほうの作品を思い起こすところもあった。バーデン・バーデンのオケはロスバウトのとき同様渋い音で、けして色彩感はないが透明感はあり、この輝きと透明感がひたすら売りの作品には向いている。組曲というが切れ目はない。
作曲家がロスバウトのオケを振った大変珍しい二枚組で、オネゲルの自作自演というとたしか戦前の交響曲一曲協奏曲二曲を含むSP録音群、晩年の「ダビデ王」および歌曲伴奏くらいしか無かった。まだ40年代の放送録音なので状態の悪さは仕方ないが、残響を加え拡がりをだしている(ゆえにノイズも拡がりが加わり耳心地は良くない)。音場が左右にぶれたりするので素直にモノラルで聴きたい気もするが、この曲は冒頭からやたらと豊潤な和音が変化しながら続く趣向で、情報量やクリアさがないと美質が伝わりづらく、モノラルの狭い音よりは原音に近いかもしれない。オネゲルの棒がそうやってるだけかもしれないけれど旋律が細く、むしろ和音の連なりによって色調変化をあらわし、さらにバッハ風の機械的構造をもって曲を作り上げていく。ヒンデミットのわかりやすいほうの作品を思い起こすところもあった。バーデン・バーデンのオケはロスバウトのとき同様渋い音で、けして色彩感はないが透明感はあり、この輝きと透明感がひたすら売りの作品には向いている。組曲というが切れ目はない。