湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆バッハ:無伴奏ヴァイオリンのための前奏曲ト短調

2018年02月03日 | その他古典等
○ヨアヒム(Vn)(SYMPOSIUM)1903/6/25?・CD

音はややハスキー気味でさすがに艶やかとは言い難いが(無論録音のせいだ)、重音の響きもテンポも表現もとても安定しており、安心して聴けるし、十分鑑賞に耐えうるものだ。残響がデッドなのはもう録音のせいとしか言いようがないが、古楽器演奏を聴いているような調子でもあり、そんなごまかしの利かない状況でもこれだけきっちり聞かせられるというのは余程高度の技巧とセンスが発揮されているとしか言いようがない。単純な音にも深い味があり(深い残響は無いが)、ヴィオラのような低弦の響きには、楽器もいいものを使っているんだろうな、といった感じ。ヴィブラートのような装飾技巧も(潰れているせいもあるが)最低限しかかけられておらず、ロマンティックな起伏を余り付けないスタイルには現代的な印象すらある。そのような中から峻厳で深刻な心情が引き出されているのは驚くばかりで、シゲティのとった求道的な態度に近いものがあったのかも知れない。短い録音で誉めすぎだが、古いヴァイオリニストの録音を聴いて最も感動したのがこの演奏であったゆえここに特筆させていただいた。とはいえ◎はつけすぎだと思うので○。ブーレとの間に小さいコメントが入るが当人のものかどうか不明。

※2005-02-23 21:25:29の記事です
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