○ビーチャム指揮シアトル交響楽団(PASC)1943/10/11LIVE
素晴らしい腕をもった指揮者だったことがわかる。少しブカブカ吹かす癖のあるアメリカ楽団を、きゅっと取り纏め、高度の機能性を聴かせている。管弦楽の極められた同曲の立体的書法を知り尽くしたうえで、響きの派手さや曲毎のコントラストのドラマを煽らずに、一つの流れを明瞭に作り出し、あくまでその中で起伏を聴かせていく。物足りない向きもいるかもしれないが、スピーディでインテンポしかも節度が軽さを産んでエルガー特有の野暮ったさを払拭しているさまは新鮮だ。土の臭いのしないノーブルさ。後半ノイズがひどいが、○。
素晴らしい腕をもった指揮者だったことがわかる。少しブカブカ吹かす癖のあるアメリカ楽団を、きゅっと取り纏め、高度の機能性を聴かせている。管弦楽の極められた同曲の立体的書法を知り尽くしたうえで、響きの派手さや曲毎のコントラストのドラマを煽らずに、一つの流れを明瞭に作り出し、あくまでその中で起伏を聴かせていく。物足りない向きもいるかもしれないが、スピーディでインテンポしかも節度が軽さを産んでエルガー特有の野暮ったさを払拭しているさまは新鮮だ。土の臭いのしないノーブルさ。後半ノイズがひどいが、○。