湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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リヒャルト・シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲

2018年12月18日 | ドイツ・オーストリア
ロザンタール指揮ORTF(ina配信)1956/2/2live2/9放送

モノラルで耳ざわりなノイズも混じるが、音そのものは明瞭で音場に広がりがあって聴きやすい。最初はロザンタールらしさというか、リズムが前に向かわず拡散的でぶよぶよしてしまう感もあるが、それはそれで劇音楽の幕開けとしてはスケールがあってよく、続いてまるでレスピーギなどを思わせる清新な音楽に「これがリヒャルト?」と思わせる。プロコフィエフを思わせる人を食ったような、書法的にはアグレッシブなところもロザンタールにかかるとほんと、ラテンやフランス音楽を派手にやっているといったふうで、ずちゃずちゃしているといったら言い過ぎかもしれないが、とても舞台的だ。舞曲の連続になってくると響きは引き締まる。スケールは維持したまま力強い回転が至極まっとうに演じられ、打って変わって古風なウィーン風ワルツとなる。これもしかしORTFとは思えぬ煽情性がある。透明感と色彩性はORTFないしロザンタールそのものだが。この指揮者のわかりやすい芸風は近現代音楽でもっとも映える。それは地域に依らない。なかなか聴きごたえがある。ina.frだとPHD89036288。
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