湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ヒンデミット:白鳥を焼く男

2019年03月27日 | ドイツ・オーストリア

ゴラン(Va)作曲家指揮スイスロマンド管弦楽団(forgottenrecords)1959/11/18放送live

ヒンデミットにしては著名なのは近代にヴィオラ協奏曲が少ないこととこの題名のせいだろう。三楽章変奏曲に使われるドイツ古謡が「白鳥を火の上で回し焼く人ではないですね」だから。この曲は1935年作品で、部分的に耳に痛い現代的な音を使ってはいるが、独自の語法のような部分はさほど目立たず、旋律は追いやすく、おおむね民謡主題に沿ったわかりやすい表現をとっており、同時代の世界的な民族主義音楽の傾向に歩調を合わせた作品と言えるかもしれない。ヒンデミットの指揮は達者だが、作曲家指揮者にありがちな固さが出て、柔軟な音楽のドライヴはできない印象があるが、これはソリスト主導のうえ割とこなれたところを聴かせてくる。三楽章は終盤まとまりなく前に向かわず、という感もあるが、変奏曲ってそんなものか。モノラルだが音撚れもなく、聴きやすい。ソリストはヴァイオリン的な音で精度高く聴かせるタイプ(わりと音域が高い曲ゆえキツい音も聞こえてくる)。


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