湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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フォーレ:舟歌第一番op.26

2005年02月23日 | フランス
○作曲家(p-roll)(EMI/telefunken)1913・CD

フォーレは正直よくわからない。昔ペルルミュテールをよく聴いていたころからわからなかった。門下にはラヴェル、ケクランをはじめそうそうたる尖鋭的なメンツが顔を揃えているが、爽やかな叙情性と微妙な色彩には魅力を感じるものの、基本的にロマン派の人というイメージが拭えない。この曲にしても前半はあまりにロマンティックである。後半音が上がると途端にフランス的な仄かな感傷性が宿り耳を楽しませてくれるが、速い音階表現で名技性を示されると、私のようなピアノしろうとはゲンナリしてしまう。名技ではなく音楽が聴きたいのだから。舟歌の旋律が最後まで繰り返し繰り返しされるが、飽きないのは実に微妙なニュアンスが上手いからで、ロールとは思えない精度のリズムも言うにおよばず、後世の範となるべき自然体のフォーレの高い芸域が垣間見える。内声部と旋律の間には確かにロール特有の僅かな齟齬がなくはないが、ロールとしては最高精度と考えていい。フォーレ弾きなら聴いて損はないかも。フォーレ特性のない私はこれが最高の演奏とわかっていても○止まり。
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