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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ショスタコーヴィチ:交響曲第6番

2008年02月27日 | ショスタコーヴィチ
○コンドラシン指揮クリーヴランド管弦楽団(hervest:CD-R)1979/10/9live

エアチェックゆえ音のバランスは悪いがステレオ。クリーヴランドが今もって世界の五大オケに数えられているのは少し不思議な気もするが、いい意味でも悪い意味でもその「弦」が機能的でよく動く名器の「A線」であることに異論を差し挟むつもりはない。音色の好みや技術の理知的に整えられた末生じるある種のマンネリズムがアメリカオケの場合好悪を別つ要因になるのは明らかで、クリーヴランドとシカゴのオケに私はその種の首傾感をおぼえることは多々あるのだが、しかしコンドラシンのような指揮者にとってかつてセルに鍛えられたこの鋼鉄のオケがよき「楽器」となっていたであろうことはこの演奏を聴くと如実にわかる。ライヴとは思えない高い技術の精度に反映された演奏である。音をスコアどおりに組み立てれば自ずと深情が染み出してくる、ショスタコにもそれはある程度言えることだ。木管の響きなど改めてマーラー的な曲だなあと思わせながらも、よりすっきりした現代の音楽であることを意識させる。ここにはモスクワのオケでやっていたような「渋さ」や「力み」がない。ショスタコの本来持っている「フランス的」ともとれる「軽さ」が、過度の恐怖や情に関する雑念なく聴こえてくる。それがメリットだろう。

まー、とにかく美しいですよ。金属質の美しさだ。下手に聴かせどころを強調しないコンドラシンのやり方も流れよい音楽の美しさを助けている。三楽章のプレストでさすがに乱れもみられるが、ライヴでこのくらいは仕方ないだろう。余りに娯楽的なパーカスの弾ける終幕はどよめきを呼んでいる。○。

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