◎カステルスキー(P)イワーノフ指揮モスクワ・フィル(RCD)1975live・CD
力強く、烈しく、引き締まったベートーヴェン的スクリアビン。幻想よりオケの力が勝り、その各声部のやりとりのスリルが堪らない(スリルと言っても技術的スリルではない)。ピアノはオケの一部と化し殆ど目立たない。余り派手なピアニストではないようだ。それでもとにかく、たとえばこんな迫力の演奏を実演で目の当たりにしたら圧倒されてしまい、このライヴの終演後のザワザワする会場の反応同様、どう反応したらいいのか、途方に暮れる可能性もあろう。イワーノフの実力、このころまでのロシアオケの真髄を見る思いだ。ペットが凄い。即興的感興を流すようなつかみどころない曲ではあるし、最後の壮大な盛り上がりも録音の音場がやや狭いせいか広がりが足りない感じもするが、リアルな音の交歓だけでも十分味わうに足るいわば純音楽的演奏だ。ステレオ。
※2006/2の記事です
力強く、烈しく、引き締まったベートーヴェン的スクリアビン。幻想よりオケの力が勝り、その各声部のやりとりのスリルが堪らない(スリルと言っても技術的スリルではない)。ピアノはオケの一部と化し殆ど目立たない。余り派手なピアニストではないようだ。それでもとにかく、たとえばこんな迫力の演奏を実演で目の当たりにしたら圧倒されてしまい、このライヴの終演後のザワザワする会場の反応同様、どう反応したらいいのか、途方に暮れる可能性もあろう。イワーノフの実力、このころまでのロシアオケの真髄を見る思いだ。ペットが凄い。即興的感興を流すようなつかみどころない曲ではあるし、最後の壮大な盛り上がりも録音の音場がやや狭いせいか広がりが足りない感じもするが、リアルな音の交歓だけでも十分味わうに足るいわば純音楽的演奏だ。ステレオ。
※2006/2の記事です