湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆ボロディン:弦楽四重奏曲第2番

2017年04月07日 | ボロディン
◎グラズノフ四重奏団(supraphon他)LP

なつかしい表現というか、民族色が自然に内面から浮き出てくるような演奏だ。ルカシェフスキーを始めとして各奏者決してローカルな音ではないのだが(ある意味無個性)スタイルが戦前のもので柔らかく、曲調にとてもマッチしている。今まで聞いてきたこの曲の演奏の中でいちばんしっくりきた。ここまでボロディンらしいボロディンもあるまい。民族的なのに洗練もそなえ民族音楽になりきることもない。特にゆったりとしたテンポで情緒纏綿に歌い上げるスケルツォが素晴らしい。この遅いテンポで初めてわかるロシアン・ロマンチシズム。ショスタコの1番(初演団体)の録音にも言えるのだが全般に遅く決して技巧派ではないものの、しっとりした美しさの面で今は聴き得ない特別な郷愁の篭った音楽を紡ぎ出すことが可能な団体だったのだということを改めて実感させられた。ちなみに名前を連ねるモギレフスキーはチェリストのドミトリさんでピアニストともモギさんとも違います。

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