湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ラヴェル:ラ・ヴァルス

2017年04月06日 | Weblog
プレートル指揮シュツットガルト南西ドイツ放送交響楽団(hanssler)1995/12

重さが面白さに繋がっている。軽快にやるべき曲ではなく毒のあるウィーン、往年の王宮、舞踏会のカリカチュア。あんまりにも美しくできているので旋律に騙されるが、トリッキーで暗い響きの彩、破滅的な打楽器がラヴェルの舞台用にきっちり曲をしつらえる職人性と同時に常時新しいものを追い求めて同じ物を二度作ることをしなかった態度をも打ち出し、ここでプレートルはオケのドイツ的な鈍重さを逆手に取るように、まったくワルツふうではない、何かデーモンの引き出されるような世界観を提示している。テンポ的には法悦してるのに、音色もそれなりに綺麗なのに、法悦性も美しさも感じられない。ただ、何か強烈なものをどぎつい色彩で、しかしあくまで冷たい焔として滾らせている。没入も客観もなく、独特のラヴェル。開放的で分厚い音響の派手さ、音の入りや切り方の尽くのアバウトさはロシア的と言いたいところなのに、違う。ロスバウトの響きに似ているし、解釈の実現方法にも似たところはあると思うが、最後はスヴェトラ並みのこれでもかという統制のない阿鼻叫喚。なんかすごい。その6文字で済ませてしまおう。
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